アクションゲームにおいて、敵をなぎ倒す勇者や戦士はいつだって花形だ。しかし、その背後で彼らの命を繋ぎ止めている存在にスポットライトが当たることは少ない。
2025年12月5日にTorcularよりリリースされた『It’s Hard To Be A Support』は、その名の通り「サポート役の辛さと喜び」を凝縮した2Dアクションゲームだ。プレイヤーは天使の守護者となり、4人の戦士を率いて危険な地を浄化する旅に出る。
価格は驚きの350円。ワンコインでお釣りがくる価格設定だが、その中身はサポート専任プレイヤーの魂を揺さぶる(そして時折胃をキリキリさせる)濃密な体験が待っていた。
攻撃は任せた、私は命を繋ぐ

本作のシステムは非常にユニークだ。プレイヤー自身の攻撃能力は限定的(あるいは皆無に近い)で、主な役割は自動で戦う4人の戦士たちを支援することにある。
画面上を所狭しと暴れまわる戦士たち。彼らは勇敢だが、時として無謀だ。プレイヤーは神聖な力を駆使し、減り続けるHPを「回復」し、攻撃力を「バフ」で底上げし、敵から受けた厄介な「呪い」を即座に浄化しなければならない。
操作感はRTS(リアルタイムストラテジー)のマイクロマネジメントに近い忙ただしさがある。「あ、右の剣士が死にそう!」「いや待て、左の魔法使いが呪われてる!」と、戦況は刻一刻と変化する。この「すべてをコントロールしなければならない」というプレッシャーが、本作の醍醐味であり、中毒性を生み出している。
聖なる光と闇のコントラスト

ビジュアル面に関しては、手作り感のあるレベルデザインと、鮮やかなキャラクタースプライトが目を引く。特に「天使対悪魔」という王道のテーマがしっかりと描かれており、神聖な光の演出と、敵となる闇の存在のおどろおどろしさ(中には妙に魅力的なデザインの敵も……)の対比が美しい。
ステージが進むにつれて登場する巨大ボスとの戦闘は圧巻だ。ボスの猛攻を凌ぎ切り、瀕死の味方を蘇生させ、ギリギリのところで勝利をもぎ取った瞬間のカタルシス。「私が彼らを生かしたんだ」という強烈な全能感は、DPS職では味わえない本作ならではのスパイスと言えるだろう。
感情的レビュー:胃痛と達成感の反復横跳び

正直に言おう。プレイ中、何度かモニターに向かって「頼むから避けてくれ!」と叫びそうになった。
AIで動く戦士たちは、こちらの気苦労も知らずに敵の攻撃に突っ込んでいくことがある。まるで野良パーティでタンクが突っ走った時のような、あのもどかしさ。しかし、だからこそ完璧なタイミングでヒールが決まり、全滅必至の状況を覆せたときは、脳汁が出るほど気持ちいいのだ。
難易度は3段階用意されているため、アクションが苦手な人でもストーリーを楽しむことはできる。だが、あえて高難易度に挑み、ギリギリのワンオペ業務をこなすブラック労働(聖職者だが)に身を投じるのも一興だ。
ボリュームに関しては価格相応といったところで、壮大な長編RPGを期待すると肩透かしを食らうかもしれない。しかし、350円という缶コーヒー数本分の価格で、これだけ手堅くまとまった「サポート職シミュレーター」を楽しめるなら、コストパフォーマンスは非常に高いと言える。サクッと遊べて、適度な緊張感を味わいたいゲーマーにはうってつけの一本だ。
総評:安価だが侮れない良作
『It’s Hard To Be A Support』は、タイトルの通りサポートの難しさを描きつつも、その本質的な楽しさを再確認させてくれる作品だ。派手なコンボで敵を倒すだけがアクションゲームではない。戦場の守護者として、味方を導く喜びをぜひ体験してみてほしい。
ゲーム概要
- ゲームタイトル: It’s Hard To Be A Support
- ジャンル: 2Dアクション / サポートシミュレーション
- 開発・パブリッシャー: Torcular
- プラットフォーム: PC (Steam)
- 発売日: 2025年12月5日
- 価格: ¥350
- 日本語対応: インターフェース、字幕
- ストアURL: https://store.steampowered.com/app/3995820/Its_Hard_To_Be_A_Support/






