閉店後の静まり返ったショッピングモール。誰もいないはずの広大な空間で、視線を感じたことはないだろうか。今回紹介するのは、そんな「リミナルスペース」特有の不気味さを存分に味わえるサイコホラー『Night At The Mall』のデモ版だ。
プレイヤーはショッピングモールの夜勤警備員として、深夜の巡回業務に就くことになる。しかし、そこは単なる空き店舗の集合体ではなかった。
孤独と静寂が支配する「放置された空間」の恐怖

ゲームを開始してまず圧倒されるのは、その独特な空気感だ。1990年代から2000年代初頭を彷彿とさせる、どこか懐かしくも寒々しいモールの内装がリアルに再現されている。
このゲームの肝は、直接的なクリーチャーの襲撃よりも、むしろ「何かがそこにいるかもしれない」という疑心暗鬼にさせる演出にある。特に、店内の至る所に配置されたマネキンたちが、目を離した隙に位置を変えている……という古典的ながらも心臓に悪いギミックが、プレイヤーの精神をじわじわと削ってくる。
手探りで進む探索と、五感を研ぎ澄ますパズル要素

ゲーム進行は、単に歩き回るだけでなく、現場にあるオブジェクトを細かく調査する「タクタイル・インベストゲーション・システム」が採用されている。落ちているメモやアイテムを手に取り、回転させて裏側を確認する。こうした泥臭い探索が、没入感を一段と高めている。
モール内は電力が不安定で、至る所が暗闇に包まれている。プレイヤーは配電盤のバランスを調整したり、時には古びた工具を探して道を切り拓かなければならない。この「不自由さ」こそがホラーの醍醐味であり、懐中電灯ひとつで暗闇を照らしながら進む心細さは、まさに本物だ。
監視カメラ越しに映る「異変」を追う

警備員室での業務も本作の重要な要素だ。設置された監視カメラを切り替えながら、これから向かうルートに異常がないかを確認する。モニター越しに何かが動いた瞬間、そこへ足を踏み入れなければならないプレッシャーは相当なもの。
デモ版ということもあり、一部の挙動や明るさの調整に粗削りな部分は見受けられるが、それすらも「得体の知れない不安感」を増幅させるスパイスになっていると感じた。特に後半、動き出すアトラクションや、不自然に明るくなる店舗の演出には、思わず背筋が凍るような感覚を覚えた。
荒削りながらも光る、インディーホラーの新たな期待作

実際にプレイしてみると、移動速度の遅さやフラッシュライトの心許なさに、最初は少し戸惑うかもしれない。しかし、その「思うように動けないもどかしさ」が、逃げ場のないモール内の閉塞感と見事にマッチしている。
デモ版ではいくつかのバグや進行の難しさも報告されているが、開発元による迅速なアップデートも行われており、製品版への期待は高まるばかりだ。日本のホラーファンにとっても、どこか「和ホラー」にも通じる静かな恐怖を感じられる一作になるだろう。
深夜、たった一人でこのモールを歩き切る勇気はあるだろうか。
ゲーム概要
- タイトル: Night At The Mall
- ジャンル: 第一人称視点 サイコホラー / ナラティブアドベンチャー
- 開発・パブリッシャー: Easewwin
- リリース予定: 2026年8月
- 対応プラットフォーム: PC (Steam)
- 主な特徴:
- タクタイル調査システム: 3Dオブジェクトを手に取り、回転させてヒントを探す深い探索要素
- 環境パズル: 工具の調達や複雑な配電システムの復旧など、リアルなギミック
- CCTV監視システム: セキュリティルームのモニターを駆使し、暗闇に潜む脅威を事前に察知
- 動的な恐怖演出: 視界から外れた瞬間に位置を変えるマネキンなど、心理的な恐怖を煽る演出
- ダイナミックな雰囲気: 立体音響と電力サージによる光の点滅が没入感を最大化
- 日本語対応: 字幕対応
- ストアリンク: Steam:Night At The Mall





