第二次世界大戦を舞台にしたゲームといえば、パイロットとして敵機を撃墜するアクションや、師団を動かす戦略シムが王道だ。しかし、今回紹介する『Ground of Aces』は、そのどちらでもない。「航空基地そのもの」をゼロから作り上げ、維持し、防衛するという、極めてユニークかつ野心的なベースビルダーとなっている。
荒れ地に命を吹き込む、自由度の高い基地建設

ゲームを開始すると、プレイヤーに与えられるのは広大な荒れ地とわずかな資材、そして数名のクルーだけだ。ここからどう進めるかは完全にプレイヤーの自由。滑走路をどこに引き、燃料庫や弾薬庫をどこに配置するか。兵舎と食堂の距離は適切か。グリッドベースの建設システムは直感的でありながら、基地の効率を左右する奥深さを備えている。
筆者がプレイして感じたのは、単なる作業ではない「設営の楽しさ」だ。最初はテント同然の設備だった場所が、次第に堅牢なコンクリートの施設へと変わっていく様子は、まさに基地を「育てている」という確かな手応えがある。

飛行機への愛が詰まったディテールと、新たなカスタマイズ

本作の魅力は、何といっても航空機へのこだわりだ。ハリケーンやスピットファイアといった名機たちが、フランス・ベルギーのコミック風(バンド・デシネ)の美しいアートスタイルで描かれる。このグラフィックがまた素晴らしく、どこか懐かしくも温かみのある世界観を作り出している。
さらに最新のアップデート「Maps & Liveries」では、待望の機体カスタマイズ機能が実装された。自分だけの塗装(リバリー)を施した機体が、自分が作った滑走路から飛び立っていく姿を見るのは、航空ファンならずとも胸が熱くなる瞬間だろう。
クルー一人ひとりに宿る、戦火の人間ドラマ

本作を単なる「管理ゲーム」以上に引き上げているのが、クルーたちの存在だ。彼らは単なるユニットではない。それぞれに個性があり、疲弊もすれば怪我もする。激しい空襲を受け、大切な仲間を失った時の喪失感は、この手のゲームとしては異例なほど感情を揺さぶってくる。
「もう一人も失いたくない」——そう強く思い、防空陣地(対空砲)の配置を真剣に見直している自分に気づいた時、筆者はこのゲームの魔法に完全にかかっていた。クルーに休息を与え、食事を整え、万全の状態でミッションへ送り出す。そのサイクルこそが、本作の核となる面白さだ。
成長を続けるアーリーアクセスとしての期待

もちろん、現在はアーリーアクセス期間中ということもあり、課題がないわけではない。基地の規模が大きくなると動作が重くなる場面や、複雑なタスク管理に戸惑う瞬間もある。しかし、開発チームは非常に意欲的で、コミュニティの声を取り入れたアップデートを頻繁に行っている。
最新のアップデートではマップエディターも追加され、プレイヤーが独自のシチュエーションで遊べる幅がさらに広がった。現状でも十分に「時間泥棒」な一作だが、今後のロードマップを考えれば、さらに化ける可能性を秘めている。
総評:歴史と管理シムが融合した、至高の癒やしと緊張感

『Ground of Aces』は、ミリタリーマニアだけでなく、じっくりと腰を据えて基地作りを楽しみたい経営シム好きにも強くおすすめしたい一本だ。空を見上げ、無事に帰還する機体を待つ。そんな司令官としての日常を、あなたも体験してみてはいかがだろうか。
ゲーム概要
- タイトル: Ground of Aces
- ジャンル: 第二次世界大戦 航空基地建設・管理シミュレーション
- 発売日: 2025年7月10日(アーリーアクセス)
- 開発/パブリッシャー: Blindflug Studios AG
- 価格: ¥ 3,400
- 主な特徴:
- 自由自在な基地レイアウトと建設システム
- 実在した第二次世界大戦の名機を多数収録
- バンド・デシネ風のユニークで美しいアートスタイル
- クルー一人ひとりの物語と健康状態を管理する深いシミュレーション
- 最新アップデートで機体カスタマイズやマップエディターが登場
- ストアリンク: Steam – Ground of Aces





