社会が崩壊したポストアポカリプス世界。あらゆるインフラが停止しても、生き残った人々が飢えをしのぐためには食料や生活必需品が絶対に必要だ。
2026年4月30日に無料公開された『Quarantine Market Simulator: Prologue』は、そんな極限状態の隔離区域で「最後の砦」として機能するマーケットを運営する一人称視点の一代シミュレーター。本作の公式トレイラーで、その独特な空気感を確認してほしい。
謎のワンオペ店舗経営、基本は棚出しとレジ打ち

ゲームを始めると、そこは蔦が絡まり霧が立ち込める荒廃した街の一角。プレイヤーに与えられた任務は、商品を仕入れ、棚に並べ、客を迎え入れてレジを打つという、お馴染みの店舗経営ルーティンだ。
サバイバル感溢れる衣装に身を包んだ客たちが次々と来店する雰囲気作りは良く、物資が貴重な世界での商売というシチュエーションだけで妙に物欲がそそられる。ここまではよくあるショップ経営シミュレーターの系譜なのだが、本作はここからが本番だ。
入店前の検温義務と、トゲ付きバットが唸る防犯対策

このゲームの最大の特徴は、隔離区域ならではのルールにある。客が店に入る前に、プレイヤー自身が入口で一人ずつ「検温」を行わなければならないのだ。
もし体温が高い客(感染の疑いあり)が来たら入店を拒否するのが原則。しかし、中には「頼むから入れてくれ」とばかりに賄賂を握らせてくる不届き者もいる。この金を tipping(チップ)として受け取ってリスクを冒すか、正義を貫くかはプレイヤーの倫理観次第。
さらに、経営を揺るがすのは感染者だけではない。レジの隙を狙って現金を盗もうとする泥棒が日常茶飯事で現れる。「おい、俺の売上金を泥棒するな!」と叫びたくなる衝動を抑え、店舗に常備されたトゲ付きバットを手に取ってダッシュ。逃げられる前に物理的に実力行使で制裁を加える瞬間は、他の経営ゲームでは味わえないシュールな爽快感と緊張感がある。
夜が更ければ防衛戦、ミニガンで迫る脅威をなぎ倒せ

一日の営業が無事に(?)終わると、今度はコロニーの防衛ラインへの動員要請がかかることがある。
それまでのレジ打ちから一転、目の前の直線通路から迫り来る脅威に対し、固定されたミニガンをぶっ放して壁を防衛するシューティングミニゲームへと突入するのだ。弾が切れないように、かつオーバーヒートしないように銃身を管理しながらトリガーを引く。この防衛に成功すると、翌日の仕入れ値が35%オフになるという特大の恩恵があるため、ワンオペ店主としては命をかけてでもトリガーを引き絞るしかない。
荒削りながらも、今後の大化けを予感させるポテンシャル

正直なところ、プロローグ版ということもあって、UIのレスポンス(検温後の画面遷移など)に若干の引っかかりを覚えたり、全体のボリュームや選択できるアイテム数が限られていたりと、インディーゲーム特有の粗さは随所に見られる。
しかし、単なる「スーパーマーケットのクローン」に留まらず、ポストアポカリプスというスパイスをこれでもかと詰め込んだ闇鍋的なゲームデザインは、プレイしていて常に忙しく、飽きさせない魅力に満ちている。開発陣によるアップデートの姿勢も意欲的であり、製品版に向けてさらにシステムが深掘りされれば、化ける可能性は十分に秘めていると言えるだろう。無料のプロローグ版としては、そのエッセンスを味わうには十分すぎるほどエンタメしている一作だ。
ゲーム概要
- タイトル: Quarantine Market Simulator: Prologue
- 発売日: 2026年4月30日
- 開発元: Arafkan Games
- パブリッシャー: PlayWay S.A.
- 価格: 無料
- 対応言語: 日本語(字幕対応)
- ジャンル: 一人称視点ポストアポカリプス市場経営シミュレーター
- ストアページ: Steam ストアリンク





