気がつけば外から鳥の鳴き声が聞こえ、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいた。時計を見ると午前5時。最初は「あと少しだけ、この島を広げたら終わりにしよう」そう思っていただけなのに、脳が完全にこのゲームの快感ループに支配されていたのだ。
クラフト系ゲームや放置ゲーム、そして工場自動化の沼にハマったことがある人なら、本作『Outpath』は間違いなく”超危険”な一作となるだろう。
原始的な手作業から始まる、自分だけの壮大な開拓ライフ

ゲームは非常にシンプルなファーストパーソン(一人称視点)の3Dアクションとして始まる。目の前にある資源をポチポチとクリックして集め、便利なアイテムをクラフトし、それを使ってさらに新しい素材を加工していく。
最初はすべてが手探りで、自分の手で一つ一つ素材を叩き割る泥臭い作業が続く。しかし、これこそが脳の原始的な欲求を刺激してやまない。素材を集めてクレジットを溜め、新しい島を購入して世界がパッと広がった瞬間の高揚感は格別だ。新しい島には、見たこともないバイオームや新たな資源が待っており、プレイヤーの「もっと先を見たい」という好奇心をこれでもかと煽ってくる。
パルクールで島々を爆走する極上の爽快感

本作をただの地味な作業ゲームから、一級品のアクション体験へと昇華させているのが、驚くほど軽快なキャラクターの移動システムだ。
初期状態から「あらゆる壁をよじ登る」という驚異的な身体能力を持っているのだが、ゲームが進むにつれて複数回ジャンプやダッシュ、さらにはプレイヤーを上空へ大ジャンプさせるリングなどのアビリティが次々と解放されていく。気がつけば、島から島へとまるで忍者のように超高速で飛び回るスタイリッシュなパルクールアクションが可能になり、広大な海上プラットフォームの上を縦横無尽に駆け巡るだけでも、脳汁が溢れ出るほどの楽しさを味わえる。
手動から自動化へ、世界がプレイヤーにひれ伏す快感

そして、本作の真骨頂は「自動化」のプロセスにある。
中盤以降、様々な施設や収集機が登場することで、それまで汗水たらして集めていた資源たちが、何もしなくても自動でプレイヤーの元へと流れ込んでくるようになる。この「自分が構築したシステムが完璧に機能し、数字がインフレしていく瞬間」の全能感はたまらない。
アクティブに島を駆け回って効率を極めるのも良いし、自動化施設を眺めながらゆったりと釣りに興じるのも良い。ゲーム側から「こう遊べ」という時間制限や強制は一切なく、自分のペースで完全にリラックスして遊べる懐の深さがある。行動に合わせて変化するインタラクティブなBGMも、この心地よい没頭感をさらに引き立ててくれる。
時折、特定の素材要求数が跳ね上がって「ウソだろ!?」と叫びたくなるような絶妙な壁(例えば、大量の植物を要求される瞬間など)が立ちはだかることもあるが、それを乗り越えるための新たなテクノロジーを解放したときの達成感はひとしお。ゲームが進めば進むほど、複雑なサプライチェーンを構築する楽しさにドップリと浸かることができる。
気がつけば数時間、数十時間が一瞬で溶けていく本作。日々の喧騒を忘れ、ただひたすらに自分の帝国が拡張されていく快感に溺れたい人は、今すぐこの素晴らしいアイランドの秘密を解き明かしに旅立ってほしい。

ゲーム概要
- タイトル: Outpath
- 発売日: 2023年10月16日
- 開発元: David Moralejo Sánchez
- パブリッシャー: GrabTheGames, UpgradePoint
- 価格: ¥ 1,700
- 言語対応: 日本語字幕対応
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