戦場で主君を失った騎士の愛馬となり、剣(とキーボード)を手に復讐の旅に出る。そんな一風変わった背景を持つタイピング×ボードゲーム×ローグライクが『Type or Die』だ。
果たしてこの「馬の冒険」は、我々のタイピング技術と戦略をどこまで熱くさせてくれるのか。実際にプレイしてみた感想をお届けする。
ゴシック写本の世界で繰り広げられる、予測不能なデスゲーム

まず目を引くのが、生きた中世のゴシック写本のような独特のビジュアルだ。まるで古い書物の中に迷い込んだかのような雰囲気は非常に個性的で、ダークで怪しげなクリーチャーたちとの戦いを盛り上げてくれる。
ゲームの基本サイクルはシンプルだ。サイコロを振ってマスを進み、イベントやショップ、そして強敵との戦闘に臨む。戦闘では、画面に表示される単語を正確かつ迅速に入力することで攻撃を繰り出す。シンプルながら、一瞬の迷いが命取りになる緊張感は本物だ。
「デッキ」が運命を決める!混沌と戦略の狭間

本作の面白い点は、単なるタイピングゲームではなく、カードゲーム的な戦略要素が強いことだ。勝利やイベントで手に入るカードを組み合わせ、自分だけのビルドを構築していく。
「攻撃力を上げる」「防御を固める」といった基本的な強化から、時にはリスクを伴う呪いのようなカードまで、取捨選択が攻略の鍵となる。このカードの引きと組み合わせが戦局を大きく左右する感覚は、まさにローグライクの醍醐味だ。時には「このビルド、最強では?」と思わせておいて、次の戦闘でボコボコにされる……そんな甘くないバランスも、つい「もう一度だけ」とリトライしたくなる中毒性を生んでいる。
荒削りだが、唯一無二の輝きがある

正直に言えば、現時点では調整不足やバグ、挙動の怪しさを感じさせる部分も散見される。ショップのシステムや、カードの解釈、難易度のバランスなどは、もっと洗練される余地が大いにある。開発元が掲げる「手作り感」と、一部に見え隠れするAI技術の活用を巡る議論についても、賛否が分かれるところだろう。
しかし、タイピングという古風なジャンルに、ボードゲーム的な進行とローグライクなビルド構築を掛け合わせたアイデア自体は非常に魅力的だ。キーボードを叩きまくり、強敵を打ち倒した時の達成感は、他のゲームでは味わえない独特の快感がある。
このゲームは、いわゆる「完成された優等生」ではない。しかし、その少し尖った、かつ荒削りな個性にハマれば、キーボードの前で何時間でも過ごせてしまう不思議な魅力を持っていることは間違いない。今後のアップデートでさらなる磨きがかかれば、タイピングゲームの新しい金字塔になるポテンシャルを秘めているかもしれない。
ゲーム概要
- タイトル: Type or Die
- 発売日: 2026年6月25日
- 価格: ¥ 1,800
- 開発元: Type or Die
- パブリッシャー: Type or Die
- ジャンル: タイピング、ローグライク、ボードゲーム
- 対応言語: 日本語対応(字幕)
- ストアリンク: Steamストアページ





