過去の隠れた名作やユニークなタイトルを振り返る「掘り出しJRPG」コーナー。今回取り上げるのは、2018年にリリースされたインドネシアのスタジオAgate開発による『ヴァルシリア アーク ヒーロースクールストーリー(Valthirian Arc: Hero School Story)』です。
元々はブラウザ向けフラッシュゲームとして国内外で高い人気を誇っていたシリーズですが、フル3DのアクションRPG×学園経営シミュレーションとして大きく進化。昨今の重厚な大作RPGとは一味違う、ノスタルジックで手軽な「育成とハック&スラッシュ」の心地よさが詰まった一本です。
どこか懐かしくも心地よい学園経営と施設ビルド

プレイヤーは新任の校長となり、ファンタジー世界「ヴァルシリア」にある英雄育成学園を拡大させていきます。
システム自体は非常にシンプル。敷地内に教室、宿舎、訓練所、工房といった施設を自由に配置することで、生徒の受け入れ人数が増えたり、クエストで得られる経験値が底上げされたりしていきます。学園の名声が高まるにつれて敷地が拡張され、新たな上位職への道を拓く施設がアンロックされていく過程は、クラシックなシミュレーションゲームを遊んでいるような確かな達成感があります。
育てては送り出す!切なくもクセになる卒業サイクル

生徒たちは最初、全員が「見習い」として入学してきます。彼らを育成し、ナイト、メイジ、レンジャーといった基本職へ、さらにはパラディンやスカラーといった上級職へとクラスチェンジさせていくのが基本の流れです。
本作をユニークたらしめているのが「定期的な卒業システム」です。手塩にかけて最強クラスまで育て上げた生徒も、定期的に訪れる卒業式で学園から送り出さなければなりません。主力メンバーを手放す切なさはあるものの、優秀な生徒を卒業させることで多額の報奨金や名声が手に入り、それが次の新入生をさらに強く育てる土台となります。「世代交代を繰り返して学園を強くする」というループは、一度ハマると止め時を見失う魅力を持っています。
シンプルながらテンポの良い4人パーティのハック&スラッシュ

学園の外では、4人の生徒で組んだ部隊を直接指揮してリアルタイムバトルに挑みます。操作キャラクターを切り替えつつ、通常攻撃やスキル、戦術指示(攻撃特化・防御特化など)を駆使してモンスターを蹴散らしていきます。
ダンジョン探索やクエストは1回あたり数分程度でサクサク終わるテンポの良さがあり、集めた素材で強力な武器をクラフトして生徒に持たせることで目に見えて強くなるハック&スラッシュの基本がしっかり押さえられています。複雑なアクション操作を求められない分、コントローラーを握ってリラックスしながら遊ぶのに最適なバランスです。
5大王国の覇権争いとマルチエンディング
物語は、5つの王国が覇権を争う緊迫した情勢の中で進行します。どの勢力の依頼を優先し、どの女王と良好な関係を築くかによって物語の結末が変化するマルチエンディングを採用。手軽なプレイ感でありながら、しっかりとJRPGらしい世界観と選択の楽しみが用意されています。

総評:今だからこそ遊びたい、気楽に没頭できる佳作JRPG
『ヴァルシリア アーク ヒーロースクールストーリー』は、近年主流のハイエンドなオープンワールドや複雑なシステムに少し疲れたときにこそ触れてほしい、程よいボリュームと親しみやすさを持った掘り出し物です。生徒たちの成長を見守り、立派な英雄として世界へ旅立たせる――そんな温かくも中毒性の高いサイクルを、ぜひ体験してみてください。
ゲーム概要
- タイトル: ヴァルシリア アーク ヒーロースクールストーリー(Valthirian Arc: Hero School Story)
- 開発元: Agate
- パブリッシャー: PQube
- 発売日: 2018年10月2日
- 価格:
- Steam: 1,900円
- PlayStation Store: 1,500円
- Nintendo Switch: 1,500円
- 対応言語: 日本語字幕対応(他複数言語対応)
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