超能力が存在する世界で、その力にまつわる事件を追うロジック推理アドベンチャー『Staffer Retro: 超能力推理クエスト』が登場した。
物語の主人公は、レトロショップに住むごく普通の少女「ヴェリータ」。ある日突然、莫大な借金を背負うことになった彼女は、マナ現象を引き起こす神秘の道具「ステップ」を売り払って返済を目指す。その過程で、ステップが絡む過去の事件と、そこに隠された痛切な真実へ足を踏み入れ……という物語だ。
前作『Staffer Case』や『Dice Eater』といったシリーズの系譜を継ぎつつも、今作は大きな変貌を遂げている。
物語と演出への没入感が大幅に強化

実際にプレイしてまず目を奪われたのは、グラフィックと演出面の大幅な進化だ。主要キャラクターだけでなくエキストラに至るまでダイナミックなアニメーション(Live2D)が適用されており、表情や仕草が実によく動く。
さらに全編にわたって日本語フルボイスが導入されているのも大きい。実力派声優陣による臨場感あふれる演技と、美しいBGMが相まって、ノベルパートの没入感はシリーズ随一と言っていいレベルに達している。主人公ヴェリータをはじめ、癖の強いキャラクターたちが織りなすドラマには強烈な引きつけられる魅力が存在する。
提示された答えを疑い「裏側」を爆破する推理システム

本作の真骨頂は、事件の「裏側」を提示する「Retroシステム」だ。
通常の会話や調査を通じて文書を照合・整理し、一度はロジックの通った結論(表側の真実)へ辿り着く。しかし、本作はそこで終わらない。プレイヤーが導き出したその結論すらも、新たな矛盾の浮上によって覆されていく。
ひとつの事件に対して必ず存在する「もう一つの側面」。自分自身が固執していた思考の裏を突かれ、隠されていた残酷な真相や人間ドラマが露わになる瞬間は、本作ならではのカタルシスを与えてくれる。
シナリオ重視への変化と注意点

本作は純粋な難解パズルやロジック構築を解くゲームというよりも、シナリオとキャラクター描写に重点を置いたアドベンチャーとして調整されている。
前作のような事件現場の捜査や多角的な検証プロセスは控えめになっており、提示される手がかりやヒントも手厚い。そのため、純粋に解きごたえのあるミステリーパズルを求めているプレイヤーには、やや拍子抜けに感じられる側面があるかもしれない。
また、ストーリーの展開には人間の身勝手さや暗部を容赦なく描いた陰鬱でどぎつい描写も含まれる。人間の心理的・感情的な泥臭さに揺さぶられるシナリオであるため、感情を強く揺さぶられる体験を求めている人にこそ刺さる一作と言えるだろう。
過去作の登場人物や世界観のバックボーンが随所に登場するため、前作をプレイ済みであればより深く物語に没入できる。
多少の粗さや難易度の低さはあるものの、物語の熱量、魅力的なキャラクター、そして演出のクオリティは間違いなく一見の価値がある。超能力が織りなす重厚な物語に没頭したいなら、チェックしておいて損はない作品だ。

ゲーム概要
- タイトル:Staffer Retro: 超能力推理クエスト
- 開発元:Team Tetrapod
- パブリッシャー:Team Tetrapod , GamePia Co., Ltd.
- 発売日:2026年7月22日
- 価格:¥ 3,500
- 言語対応:日本語字幕、日本語音声対応
- ストアページ:https://store.steampowered.com/app/3837350/Staffer_Retro/






