リフォームシミュレーターといえば、ボロボロの部屋を丁寧に掃除し、寸分の狂いもなく美しく改装していく職人気質のゲームを思い浮かべる人が大半だろう。しかし本作『Low-Budget Repairs』が求めるのは、そんな几帳面さの真逆を行くプレイスタイルだ。

舞台は1990年代、独特の哀愁と雑多な空気が漂う東欧の集合住宅街。プレイヤーは資金力ゼロのDIY職人となり、客の依頼を手抜き工事とコスト削減の合わせ技で強引に片付け、素早く現金を懐に収めることを目指す。
丁寧さや職人魂などどこ吹く風。「バレなければどうということはない」という徹底したリアリズムとユーモアに満ちた本作のプレイフィールをお届けする。
水増しペンキに目分量タイル!手抜きDIYの快感と背徳感

本作の醍醐味は、一般的なリフォームゲームでは御法度とされる「低予算の誤魔化しテクニック」が正攻法として機能する点にある。
例えば壁の塗装依頼では、缶に残ったわずかなペンキを水で薄めて無理やり部屋全体に塗り広げる。色は若干褪せてムラも出るが、一定割合を塗り終えればクライアントは納得し、依頼達成となる。
タイルの貼り付け作業も同様だ。水平器でミリ単位のズレを修正する面倒な工程はすべて無視し、目分量で素早く壁に貼り付けていく。多少の傾きやガタつきは「レトロな味」として押し通すのが現場の流儀だ。ドアを通らない大型家具があれば、解体などせずに2階の窓から庭へ放り投げて即座に片付ける。荒唐無稽なゴリ押しが次々と成立していく様は、作業ゲー特有のストレスを吹き飛ばす独特の爽快感がある。
90年代東欧の空気感とブラックユーモアが光るストーリー

ゲーム全体を包む泥臭い90年代の空気感と、風変わりな登場人物たちが織りなすストーリーも見どころの一つだ。
プレイヤーを導く相棒キャラクターとのコミカルな掛け合いをはじめ、依頼主たちの無頓着なリアクションや街の猥雑な雰囲気が非常に良い味を出している。BGMとして流れる軽快なラジオ音楽も世界観とマッチしており、作業中の気分を盛り上げてくれる。
ストーリー進行は比較的リニア(一本道)に設計されており、提示される目標に向かってテンポよくタスクをこなしていく構成となっている。小難しい経営管理や緻密な計算を求められる場面は少なく、カジュアルに次々と依頼を回していくスピード感が重視されている印象だ。
荒削りな物理挙動と配線作業にはやや慣れが必要

一方で、インディー作品らしい粗削りな挙動や仕様も見受けられる。
特にオブジェクトの物理干渉がやや敏感で、部屋の中にある家具に触れた拍子に小物が周囲へ散乱してしまう場面があった。また、電気配線やパイプの接続といった一部の専門的なタスクでは、接続判定や操作の感覚を掴むまでに少し試行錯誤が必要になるだろう。
自由気ままなサンドボックスというよりは、用意されたシチュエーションとユーモアを楽しむアドベンチャー寄りの作りになっているため、厳密な建築・リノベーションのシミュレートを期待しすぎず、バカゲー的なノリを楽しむ心構えで挑むのがベストだ。
本作をオススメできるプレイヤー
- 『House Flipper』などの改装ゲームが好きだが、より肩の力を抜いてカジュアルに楽しみたい人
- 東欧のレトロな街並みや、海外のブラックユーモア・B級映画的なノリが好きな人
- 緻密な作業よりも、大胆なゴリ押しやハチャメチャな解決法で笑いたい人
- 短時間でサクッと遊べる個性的なシミュレーターを探している人

ゲーム概要
- タイトル: Low-Budget Repairs
- 発売日: 2026年8月13日
- 価格: 2,500円
- 開発元: Gray2RGB
- パブリッシャー: Simplicity Games, PlayWay S.A.
- 対応言語: 日本語字幕対応(他複数言語対応)
- ストアページ: Steam Store Link






