スマートフォンに届く配達依頼、燃料計の残量、そして容赦なく迫る家賃の支払い期限——。『Express Rider Simulator』は、街を駆けるバイク便ライダーの過酷かつユーモラスな日常を描いたオープンワールド配達シミュレーションゲームです。
単なるドライビングゲームにとどまらず、日々の生活費のやりくりや機材投資、さらには「モトブログ配信」による一発逆転の副収入まで盛り込まれた野心作となっています。
街を駆け巡る泥臭い配達ループとリアルな生活感

ゲームを始めると、プレイヤーに与えられるのは性能の低い小さなスクーター1台と、山の上にある質素な自宅です。仕事はスマートフォンのアプリから受注し、店舗で荷物をピックアップして依頼人の元へ運ぶというシンプルな構造ながら、その道中は一筋縄ではいきません。
目的地までは単純なナビゲーションの追従だけでなく、建物の構造や周囲の番地を確認しながら自力で玄関口までアプローチする必要があります。マンションの階段を駆け上がり、正しいドアを見つけてベルを鳴らし、無事に荷物を手渡した瞬間の達成感は格別です。
しかし、配達の報酬は決して高くありません。走れば走るほどガソリン代がかさみ、スタンドで給油しなければ路上で立ち往生します。さらに速度違反取締カメラに引っかかれば高額な罰金が科され、1日の稼ぎが一瞬で消し飛ぶことも珍しくありません。稼いだお金をガソリン代、バイクの整備・性能強化、そして生活費へと割り振り、自転車操業を続けながら少しずつ生活水準を引き上げていく感覚には、シビアながらも強い中毒性があります。
カオスを収益に変える「ライブ配信」という独自のスパイス

本作のユニークなアクセントとなっているのが、配達風景をリアルタイム中継するライブ配信システムです。
機材を整えて配信を開始すると、画面上にフォロワーや視聴者の反応が表示されます。過密なトラフィックのすり抜けやギリギリのコーナリング、あるいは物理演算が引き起こす予想外の接触事故やハプニングまでもが「配信の見どころ」となり、視聴者からのリアクションや投げ銭へと変換されていきます。
真面目に安全運転を続けてコツコツ小銭を稼ぐか、リスキーな走行で配信を盛り上げて一攫千金を狙うかという選択が、単調になりがちな配達ルーティンに確かな彩りと独自のプレイフィールをもたらしています。
早期アクセスならではの荒削りな挙動と今後の期待値
現時点でのプレイフィールとしては、早期アクセス段階ということもあり、粗削りな部分が目立ちます。
低速スクーターらしからぬ唐突な加速感やブレーキの制動距離、車両やオブジェクトに触れた際の独特なバウンド挙動など、物理演算まわりの挙動にはインディー特有のクセが存在します。また、UIの操作感やキーボード・マウス操作における視点変更、拠点と市街地を結ぶ導線の長さなど、快適性の面でアップデートによる最適化が待たれるポイントは複数残されています。
とはいえ、個人開発に近い規模感ながら「バイク便の泥臭い業務」「生活インフラの管理」「配信者要素」を1つのサイクルにまとめ上げた構成力は見事です。ロードマップには新エリアの拡張やバイクのラインナップ追加、カスタマイズ要素の拡充などが掲げられており、コミュニティのフィードバックとともに着実なブラッシュアップが進めば、より唯一無二の存在感を放つ作品へと化けるポテンシャルを秘めています。

本作はどんなプレイヤーにオススメできるか?
- お仕事・作業系シミュレーターが好きな人: ルーティンワークを淡々とこなし、リソースをやりくりしながら少しずつ機材や愛車をアップグレードしていくサイクルが好きな方。
- 少しシュールでカオスなインディーゲー耐性がある人: 予期せぬ挙動や物理演算のハプニングをバグとして切り捨てるのではなく、笑えるアクシデントとして楽しめる寛容なプレイヤー。
- デリバリー業務の雰囲気をゲームで味わいたい人: フードデリバリーやバイク便のリアルな哀愁と、街中を自由に走り回る開放感をバーチャルで体験してみたい方。
ゲーム概要
- タイトル: Express Rider Simulator
- ジャンル: 配達シミュレーション / ドライブ / オープンワールド
- 開発元: HatinBaba Game Studios
- パブリッシャー: PlayWay S.A.
- 発売日: 2026年7月29日(早期アクセス)
- 価格: 1,150円(税込)
- 対応プラットフォーム: PC(Steam)
- 言語対応: 日本語字幕対応(他複数言語対応)
- ストアページ: Steamストアリンク





