童話のような柔らかなタッチで描かれる、どこか物悲しく美しい世界。月相仪Lunariumが手掛ける『ルナリウム星の旅』は、見下ろし型(クォータービュー)の視点で探索と骨太なアクションを繰り広げるARPGだ。
プレイヤーは軽装の騎士エイウとなり、神秘の力を宿す少女ルーンと共に、崩壊の危機に瀕した世界「ルナリウム」の真実を追う旅路へと赴く。ダークファンタジーの香りを漂わせながらも、随所で心を通わせる二人の関係性が静かな旅に確かな温もりを与えている。
緊張感あるパリィと体幹崩し、ビルドで激変するアクション体験

戦闘の基本となるのは、軽剣による連撃、的確な回避、そして敵の攻撃を見極めて弾くパリィだ。
序盤の挙動はやや重めで、攻撃やアクション後の硬直に独特のタメがある。むやみに剣を振るだけでは簡単に押し切られてしまうため、最初はクラシカルなアクションゲームのような堅実な立ち回りが求められる。敵の予備動作を見据え、パリィで態勢を削り、体幹を崩した瞬間に怒涛のラッシュを叩き込む――この一連の流れをきれいに通せたときの爽快感は格別だ。
物語が進むにつれてアクションの手触りは様変わりする。 エイウの挙動や性能を大きく左右する「マント」と、多彩なパッシブ効果をもたらす「刺繍」の組み合わせにより、戦術の幅が一気に拡張される。ジャスト回避時に時間の流れを緩やかにするスローモービルドや、パリィのカウンター性能を極限まで尖らせる構成、さらには強力なアビリティを連発するスキル特化型まで、プレイヤーの好みに応じたビルド構築が可能だ。序盤のシビアな手応えから一転、強力なビルドを完成させて強敵を圧倒していく成長曲線は本作ならではの面白さと言える。
探索意欲をかき立てる立体的な箱庭マップと温かな拠点

探索面においては、入り組んだ立体構造のフィールド設計が光る。
荒廃した神殿や色褪せた王国の廃墟など、エリアごとに異なる景観が美しく描かれ、マップの各所に隠し通路やショートカット、収集要素が丁寧に配置されている。固定視点ゆえに地形の奥行きや隠し場所の判別に注意を凝らす場面もあるが、壁の向こうに思わぬアイテムを見つけ出した瞬間の発見感は強い。
また、デスペナルティによって手元の育成資源を全喪失するような極端なストレス構造がなく、ボス手前のチェックポイント配置など遊びやすさへの配慮も見られる。探索の合間に立ち寄る拠点の静けさと、そこで交わされるエイウとルーンの掛け合いは、過酷な道中における心地よい休息所として機能している。
二人の少女が織りなす繊細な叙事詩

旅を通じて描かれるのは、過酷な運命に抗う少女たちの絆だ。
物語は難解な用語で煙に巻くタイプではなく、探索を通じて手に入るテキストや手記、NPCとの会話を重ねることで、滅びゆく世界の成り立ちが自然と浮かび上がってくる。言葉少なげながらも互いを支え合うエイウとルーンの距離感が、切なくも優しい読後感を残してくれる。
全体のボリューム感は10〜15時間前後と、インディー作品として密度の高いまとまりを見せている。後半の急激なバランス変化や一部のアクション挙動にインディー特有の荒削りさは残るものの、それを補って余りある世界観の完成度と手応えのあるボスバトルが揃っている。
本作をオススメできるプレイヤー

- 退廃的で美しいファンタジー世界や、手描き調の緻密なアートワークに惹かれる人
- パリィやジャスト回避を軸にした、リターンと緊張感のある戦闘システムが好きな人
- 探索型アクションや適度な手応えのARPGを、10数時間で濃密に遊び切りたい人
- 過酷な旅の中で育まれる、キャラクター同士の静かで尊い関係性を見届けたい人
ゲーム概要
- タイトル:ルナリウム星の旅
- ジャンル:アクションRPG
- 開発元:月相仪Lunarium
- パブリッシャー:月相仪Lunarium , Imperfect Games
- 発売日:2026年7月28日
- 価格:¥2,250
- 言語対応:日本語字幕対応
- Steamストアページ:https://store.steampowered.com/app/2939790/_/







