かつて終わりのない紛争によって世界の根幹を揺るがしてしまった王国。人々は再建のために過去を忘れ去る道を選んだが、その代償はあまりに大きかった。
Codenightlyが手掛ける『Sunken Sky』は、そんな「忘却された世界」を舞台にした、メトロイドヴァニアとJRPGが融合した野心作だ。今回、2026年4月の発売に先駆けて公開されたデモ版をプレイ。水彩画のような美しいビジュアルの裏に隠された、一筋縄ではいかない手触りをお届けする。
息を呑むほどに美しい、手描きの世界観

ゲームを起動して真っ先に飛び込んでくるのは、数百枚もの手描きイラストによって構成された圧倒的な美術表現だ。アニメーションの質感はどこか懐かしく、かつての名作RPG『ブレス オブ ファイア IV』を彷彿とさせる柔らかな情緒に溢れている。
険しい山々や、淡い光が差し込む魔法の森。エリアを移動する際のロードアニメーションひとつとっても、作り手の「世界を表現したい」という強いこだわりが伝わってくる。名前を持たない少女、過去を背負った生存者、そして家名を背負う貴族。境遇の異なる3人の主人公が、この美しい世界でどう交錯していくのか、導入部だけで期待感が高まっていく。
プレイヤーを試す、硬派でピーキーな操作感

本作のプレイフィールは、昨今の親切設計なアクションゲームとは一線を画す。一言で言えば、非常に「硬派」だ。ジャンプの挙動や空中でのダッシュには独特の慣性があり、ボタン入力に対してキャラクターが少し遅れて反応するような「重み」を感じる。
特に空中での攻撃に制限がある点や、ダメージを受けた際のリアクションが控えめな点は、プレイヤーに正確な立ち回りを要求する。最近のメトロイドヴァニアに見られる「ハイスピードでスタイリッシュな挙動」を期待すると、最初は戸惑うかもしれない。しかし、このままならなさこそが、過酷な世界を生き抜くリアリティとして機能しており、難所を突破した際の達成感はひとしおだ。
物語とシステムが織りなす、これからの可能性

デモ版では、村の住人との会話や、物語の核心に触れるようなカットシーンが随所に挿入される。単なるアクションゲームに留まらず、キャラクターの内面を深掘りするJRPG的なアプローチは、本作の大きな独自性と言えるだろう。
一方で、マップ機能の未実装(デモ版時点)や、SEの音量バランスなど、開発途上を感じさせる荒削りな部分も散見される。だが、それすらも「インディーゲームらしい熱量」として好意的に受け取れるほど、この世界には歩き回りたくなる魅力が詰まっている。不器用ながらも真っ直ぐに作られた、光る原石のような一作だ。
総評:欠点すらも愛おしくなる、挑戦的な冒険譚

『Sunken Sky』は、万人に受ける優等生なゲームではないかもしれない。しかし、その不自由さや操作のクセを乗り越えた先にある、圧倒的な没入感と美しさは本物だ。
効率や快適さばかりが求められる現代のゲームシーンにおいて、こうした「作り手の体温」が伝わる作品は稀有である。4月の本編リリースに向け、さらなるブラッシュアップでこの「空の旅」がどこまで高く羽ばたくのか。アクションゲームファンなら、まずはその手でこの独特な浮遊感を確かめてみてほしい。
ゲーム概要
- タイトル: Sunken Sky
- ジャンル: メトロイドヴァニア / JRPG
- 発売日: 2026年4月予定
- 開発・パブリッシャー: Codenightly
- 価格: 未定
- 対応プラットフォーム: PC (Steam)
- 特徴:
- 3人の主人公が交錯する、自己成長と希望の物語
- 数百枚の手描きイラストによる独自のビジュアルスタイル
- 広大で相互に繋がった探索型マップ
- ボス戦や多彩なミニゲームを搭載
- ストアリンク: Steam:Sunken Sky






