2025年12月5日、VRゲーム界に新たな「友情破壊」かつ「絆形成」必須のタイトルが投下された。Flat Head StudioとCreature Labelが贈る『Deadly Delivery』だ。 本作は、最大4人のプレイヤーが「配達ゴブリン」となり、幽霊や怪物が巣食う鉱山へ荷物を届けるという、文字通りのブラック企業シミュレーター(?)である。
目的はただ一つ。学生ローンを完済するために、ノルマを達成して生き残ること。 VRならではの没入感と物理演算が生み出すカオスな展開に、恐怖と笑いが止まらない体験が待っていた。今回は、Meta Quest 3およびPCVRでリリースされた本作のインプレッションをお届けする。
漆黒の鉱山で「物理的」にふざけ倒す

ゲームを開始してまず感動(?)するのは、その自由すぎる物理挙動だ。 本作はVR専用にゼロから構築されており、すべてのオブジェクトやプレイヤー同士のインタラクションが物理演算に基づいている。つまりどういうことかというと、同僚(フレンド)の頬を引っぱたいたり、背中に「Kick Me(蹴って)」の張り紙をしたり、さらには仲間を物理的に持ち上げて運んだりできるのだ。
薄暗い鉱山へと足を踏み入れる前のロビーの時点で、すでに我々は笑い転げていた。緊張感のあるホラーゲームのはずが、目の前の同僚が奇妙な動きで迫ってきたり、意味もなく積み上がったりする様子は、VRならではのシュールな光景だ。しかし、この「ふざけ合える」空気感こそが、後の恐怖を倍増させるスパイスとなることを、我々はまだ知らなかった。
ノルマ達成か、怪物の餌食か

いざ業務(ミッション)が始まると、空気は一変する。 自動生成されるトンネルは入り組んでおり、ヘッドライトの心許ない明かりだけが頼りだ。プロキシミティチャット(距離減衰ボイスチャット)が採用されているため、仲間と離れれば声は遠くなり、角を曲がって姿が見えなくなれば、完全な静寂と孤独が訪れる。
「ここに荷物を置いてくれ」と仲間に声をかけようと振り返ったら、そこには誰もいない。あるいは、仲間だと思って近づいたシルエットが、実はドッペルゲンガーだったときの絶望感たるや凄まじい。 オーストリアの伝承(クランプスなど)に影響を受けたというモンスターたちは、視覚的な怖さはもちろん、AIの挙動がいやらしく、プレイヤーを確実に追い詰めてくる。「ドアに荷物を置いたら、そのドアに友人が食われた」なんて理不尽な事態も日常茶飯事だ。

しかし、全滅してロビーに戻った瞬間、「あそこで叫び声が聞こえたけど何があったんだ!?」と感想戦で盛り上がるまでがワンセット。この恐怖と爆笑のサイクルは、間違いなく中毒性がある。
1,200円で買える極上のパニック体験

本作の魅力は、その手頃な価格設定にもある。Steam版は1,200円、Meta版は1,600円と、友人を誘いやすい価格帯だ。 現時点では日本語には対応していないが、やることは「荷物を運ぶ」「逃げる」「叫ぶ」とシンプル極まりないため、言語の壁はほとんど感じないだろう。むしろ、言葉が通じないパニック状態こそが、このゲームの醍醐味とも言える。
多少のバグ(手が荒ぶったり、荷物が吹っ飛んだり)はあるものの、それすらも「カオスな物理挙動」として笑って許せてしまう懐の深さがこのゲームにはある。 『Lethal Company』や『Content Warning』のノリが好きで、VRヘッドセットを持っているなら、迷わず「採用」されるべきだ。さあ、怪しげな装備を手に取り、ブラックな配送業務へ出かけよう。君の代わりはいくらでもいるのだから。
ゲーム概要
- タイトル: Deadly Delivery
- ジャンル: VR協力型ホラー / アクション
- 開発元: Flat Head Studio
- パブリッシャー: Flat Head Studio, Creature Label
- 発売日: 2025年12月5日
- 価格: Steam: 1,200円 / Meta: 1,600円
- 日本語対応: なし
- ストアリンク:



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