広大なオーストラリアのアウトバック(未開拓地)。赤土が舞う荒野で、数千頭の牛を追う生活に憧れたことはないだろうか。
SALTY GAMESが開発を手掛ける『Pasture: The Livestock Simulator』は、そんな過酷かつ雄大な牧畜ライフを体験できるシミュレーターだ。2026年のフルリリースに先駆け、Steamにて体験版(Demo)が公開されている。今回はこの体験版を実際にプレイし、その手触りとポテンシャルをお届けする。
ただの作業ゲーだと思って侮るなかれ。ここには、カオスと秩序が同居する「本物の牧場」があった。
赤土と熱気を感じるリアルな「牛追い」体験

本作の核心は、何といっても「牛の群れ」の挙動にある。 プレイヤーの目的は、広大なマップで牛たちを集め、目的地へと誘導すること(マスタリング)。しかし、相手は生き物だ。こちらの意図通りに動いてくれるとは限らない。
実際にプレイしてみると、牛たちはプレイヤーの動きや地形、そして群れ全体の流れにシンクロして動く。急いで近づきすぎれば群れは散り散りになり、逆に距離を取りすぎれば動こうともしない。この「もどかしさ」が、次第に「群れをコントロールできたときの快感」へと変わっていくプロセスがたまらない。
物理演算によって動く牛の群れが、一つの巨大な生き物のようにうねりながら移動する様は圧巻だ。夕陽に照らされた土煙の中で数百頭の牛が移動するビジュアルは、今のところ体験版の範囲内でも十分に次世代の牧場シムを感じさせてくれる。
馬、バギー、ヘリ、そして「犬」になれる喜び

広大な土地を移動するための「足」も多彩だ。 体験版では馬、バギー、ヘリコプターといった乗り物が用意されている。馬に乗って投げ縄を振るうクラシックスタイルも良いが、バギーで荒野を爆走して牛を追い立てるのも現代的で悪くない。
特筆すべきは、オーストラリアン・キャトル・ドッグ(ブルーヒーラー)としてプレイできる点だ。 そう、人間であることをやめ、犬になって牛の足元を駆け回ることができる。これが意外なほど楽しい。巨大な牛たちを小さな体で誘導する感覚は、他の乗り物とは全く異なる視点を与えてくれる。ちなみに、子牛を抱き上げるアクションなど、動物好きにはたまらない細かい演出も用意されている点は高く評価したい。
ただし、操作性には少々「クセ」があることも記しておこう。特にヘリコプターの操縦は、暴れ馬ならぬ「暴れガチョウ」に乗っているかのような独特の浮遊感と難易度があり、慣れるまでは墜落の連続かもしれない。また、キャラクターの移動に慣性が働くため、キビキビとした操作というよりは、重量感のあるリアル志向な挙動となっている。
マルチプレイでこそ輝く「協調」と「混沌」

体験版をプレイして痛感したのは、「広い牧場で一人は孤独すぎる」ということだ。 もちろんソロプレイも可能だが、数千頭規模の牛を一人で管理するのは至難の業。そこで輝くのがマルチプレイである。
本作は最大8人までのオンライン協力プレイに対応しており、さらに画面分割でのローカルCo-opもサポートしている。友人と声を掛け合い、「右翼の牛が逸れた!」「ヘリで先回りしてくれ!」と連携を取る瞬間こそ、本作の真骨頂だろう。あるいは、連携が取れずに牛たちが四散し、現場がカオスと化すのを見て笑い合うのもまた一興だ。
総評:荒削りだが、光る原石のようなシミュレーター

現時点では体験版ということもあり、挙動の重さやUI周り、ヘリの操作難度など荒削りな部分は散見される。しかし、それらを補って余りある「カウボーイ体験」のポテンシャルを秘めている。
ただ牛を右から左へ動かすだけではない。そこには生態系があり、物理法則があり、仲間とのドラマが生まれる余地がある。2026年のフルリリースに向けて、このオーストラリアの荒野がどのように進化していくのか、非常に楽しみな一作だ。
シミュレーター好き、あるいは友人と騒げるサンドボックスゲームを探しているなら、まずはこの体験版でアウトバックの風を浴びてみてはいかがだろうか。
ゲーム概要
- タイトル: Pasture: The Livestock Simulator
- ジャンル: 牧畜シミュレーター / アクション
- 開発・パブリッシャー: SALTY GAMES
- プラットフォーム: PC (Steam)
- 発売日: 体験版配信中(製品版は2026年発売予定)
- 価格: 未定(体験版は無料)
- プレイ人数: 1~8人(オンライン / 画面分割Co-op対応)
- 日本語対応: なし(体験版)
- ストアURL: https://store.steampowered.com/app/4101800/Pasture_The_Livestock_Simulator_Demo/







