世界を救う方法は、剣や魔法だけではない。時には高性能な「掃除機」が英雄の武器となることもある。 Magic Pocketsが開発を手掛ける『Clean Up Earth』は、まさにそんな一風変わったアプローチで環境問題に立ち向かうアクションゲームだ。
筆者も早速本作の体験版をプレイしてみたが、これが予想以上に時間泥棒であり、現代人が抱えるストレスを強力な吸引力で吸い取ってくれる「デジタルデトックス」な作品に仕上がっていた。単なる作業ゲーと侮るなかれ。ここには確かな「再生」の喜びがある。
圧倒的な「吸引」の快感とASMR

本作の基本システムは極めてシンプルだ。汚染された島や荒野に降り立ち、背負ったハイテク掃除機でひたすらゴミを吸い込む。これに尽きる。 だが、この「吸う」という行為の味付けが絶妙だ。空き缶やプラスチックが掃除機に吸い込まれる際の「シュボッ!」「カラン!」という効果音は、非常に心地よいASMR体験を提供してくれる。
操作感も軽快だが、ただ闇雲に吸えばいいわけではないのがニクイところ。 掃除機のノズル(チップ)にはサイズ別の適性があり、小さなゴミには小回りの利くチップ、巨大な廃棄物には高出力なチップといった具合に、状況に応じて切り替える必要がある。最初は戸惑うかもしれないが、マウスホイール等でカチカチとノズルを切り替え、効率よくゴミを分別・回収していくフロー状態に入ると、脳汁が出そうなほどの全能感に包まれる。
荒廃した土地が蘇るビジュアルカタルシス

ゴミ掃除という地味な作業を、壮大なアドベンチャーへと昇華させているのが「環境再生」の演出だ。 エリアのゴミを一掃し、リサイクル率が100%に達した瞬間、画面全体が輝き出し、茶色く乾いた大地に草花が芽吹き、動物たちが戻ってくる。
このビジュアルの変化が実にドラマチックで、「ああ、自分はこの世界を良い方向に変えたんだ」という強烈な肯定感を与えてくれる。『PowerWash Simulator』のような「汚れを落とす快感」に、「生命の息吹を取り戻す感動」が加わったと言えば分かりやすいだろうか。 暗く沈んでいた水辺が透き通り、魚が泳ぎだす様を見ると、思わずディスプレイの前で「よし!」と拳を握ってしまった。
ソロで没頭、マルチでわちゃわちゃ

本作はソロプレイで黙々と作業に没頭するのも最高だが、マルチプレイも見逃せない。 広大なマップには、一人では持ち上げられないような超巨大な廃棄物やコンテナが放置されていることがある。そんな時こそ、フレンドや野良のプレイヤーとの協力プレイ(Co-op)の出番だ。
複数の掃除機で同時に吸引することで、巨大な鉄塊が浮き上がり、解体されていく様は圧巻。言葉を交わさずとも、「せーの」で吸い込むタイミングが合った時の一体感は格別だ。 また、広大なマップでは「あと1つが見つからない!」というゴミ探しあるあるが発生しがちだが、探知機ガジェット(Blip Manなど)を強化したり、マルチプレイで手分けして探したりすることで解決できるバランスも良い。
総評:忙しい現代人にこそ必要な「掃除の時間」

『Clean Up Earth』は、環境問題という重いテーマを扱いながらも、説教臭さは一切なく、純粋に「綺麗にすることの楽しさ」を追求した良作だ。 マップの広さに対して移動速度や吸引範囲のアップグレード要素もしっかり用意されており、RPG的な成長要素も楽しめる。
「今日は疲れたから何も考えたくない」 そんな夜、ビール片手にこのゲームを起動してみてほしい。気づけば数時間、地球の掃除に夢中になっているはずだ。
ゲーム概要
- タイトル: Clean Up Earth
- 発売日: 2025年9月22日(体験版) / 本編未定
- 開発元: Magic Pockets
- パブリッシャー: Magic Pockets
- ジャンル: シミュレーション / アドベンチャー / 協力プレイ
- プラットフォーム: PC (Steam)
- ストアURL: https://store.steampowered.com/app/3402720/Clean_Up_Earth/







