
2009年、トルコのとあるアパートで起きた不可解な事件。サタニックな儀式、震動、そして謎の死。実在の都市伝説をベースにした一人称視点ホラー『Apartment No 129』が、ついにPlayStation 5とXbox Series X|Sに登場した。
2026年1月16日にコンソール版がリリースされた本作は、PC版で一部のホラーマニアを震え上がらせたタイトルだ。開発元のDead Witnessが手掛けるこの「呪われたアパート」は、リビングの大画面でこそ、その真価を発揮する。今回はコンソール版のプレイフィールを中心に、この忌まわしき現場の魅力と恐怖をお届けする。
実話ベースという重苦しいリアリティ

本作の最大のフックは、「2009年にトルコで実際に噂された都市伝説」に基づいている点だ。プレイヤーはコンテンツクリエイターの「エミル」となり、かつて若い女性たちが儀式の果てに命を落とし、住人たちが逃げ出したという廃アパート「No.129」へと足を踏み入れる。
導入部から実写映像が使われており、これがまた妙な生々しさを醸し出している。次世代機向けに最適化されたグラフィックは、廃墟特有の埃っぽさや、そこに「誰かがいた」痕跡を鮮明に描き出す。
目的はシンプル。この場所で何が起きたのかを調査し、生きて脱出すること。しかし、コントローラーを握った瞬間から、背後に何かの気配を感じずにはいられない。
「読む」ことで深まる恐怖と、闇との戦い

ゲームプレイの基本は、探索型のアドベンチャーだ。アパート内にはかつての住人や関係者が残したメモが大量に散らばっている。これらを読み解くことで、断片的な情報が繋がり、儀式の全貌が見えてくる仕組みだ。
コンソール版でのプレイにおいて、テキストの視認性は良好だ。テレビ画面越しに読む他人の日記は、背徳感と絶望感を増幅させる。派手な演出で怖がらせるだけでなく、想像力に訴えかけるジャパニーズホラーにも通じる湿度の高さがある。
もちろん、ただ歩くだけでは済まない。アパートには「何か」がいる。
インベントリと武器システムが存在し、襲い来る脅威に対して抵抗することは可能だ。しかし、弾薬は潤沢ではない。何よりこのアパートは暗い。非常に暗い。懐中電灯の心もとない明かりだけを頼りに、スティック操作でおっかなびっくり視点を動かす恐怖は、マウス操作とはまた違った没入感がある。
リビングが事故物件になる没入感

実際にPS5/Xbox版をプレイしてみると、音響設計の良さが際立つ。建物のきしみ、遠くで聞こえる物音、そして自分の足音。静寂がこれほど怖いと感じさせるゲームは、良質なホラーの証拠だ。特にホームシアターシステムやヘッドセットを使用している場合、環境音の定位感が素晴らしく、自分の部屋がアパートの一室になったかのような錯覚に陥る。
開発者が意図しているのか、全体的に視界が悪く、光と影のコントラストが強い。これが「見えない恐怖」を増幅させている。探索中、ふと視界の端に何かが映ったような気がして振り返るが、そこにはただの壁があるだけ……。大画面でプレイすることで、その「気のせい」がよりリアルに迫ってくる。
戦闘要素はあるものの、基本的には「無力感」が漂うバランスだ。敵対的な存在と対峙した時のパニック感は凄まじく、コントローラーを持つ手が汗ばむ。冷静にエイムすることなど到底できず、「戦う」というよりは「必死で追い払う」という感覚に近い。

また、本作はマルチエンディングを採用している。探索の過程でどのような行動を取り、どの程度の真実にたどり着いたかが結末を左右する。
特筆すべきは、トルコ発のホラーゲームという文化的背景だ。西洋的な悪魔崇拝とはまた少し異なる、土着的な宗教観や空気感が漂っており、日本のゲーマーにとっても新鮮な恐怖体験となるだろう。
多少の粗削りな部分はインディーゆえにご愛嬌だが、それを補って余りある「雰囲気」がここにはある。PCスペックを気にせず、家庭用機で手軽に極上の恐怖を味わえるようになった今こそ、129号室のドアを叩いてみる絶好の機会だ。ただし、部屋を暗くしてプレイする際は自己責任で。
ゲーム概要
- タイトル: Apartment No 129
- ジャンル: 一人称視点サイコロジカルホラー
- プラットフォーム: PS5, Xbox Series X|S, PC (Steam)
- 発売日:
- PS5 / Xbox版: 2026年1月16日
- PC版: 2024年8月2日
- 価格:
- PS5: ¥2,090
- Xbox: ¥1,650
- Steam: ¥920
- 開発・パブリッシャー: Dead Witness
- 日本語対応: インターフェース、字幕対応
- ストアリンク:






