気がつくと、見知らぬ病院で倒れていた。体からは血が流れている。どうやらあと15分もすれば、出血多量で死んでしまうらしい。
そんな絶望的な状況からスタートする『Fear The Timeloop』。Steamでリリースされたばかりの本作を早速プレイしてみた。価格は1,600円。正直、インディーホラーには当たり外れが多いが、本作は「当たり」の部類、いや、往年のサバイバルホラーファンにとっては「こういうのでいいんだよ!」と叫びたくなる一作だった。
「バイオハザード」への強烈なリスペクト

ゲームを開始してすぐに感じるのは、カプコンの名作『バイオハザード2』や『サイレントヒル』への強烈なリスペクトだ。三人称視点のカメラ(TPS)、閉鎖された病院というロケーション、限られた弾薬、そして謎解き。
操作感は非常に馴染み深い。ハンドガンを構え、ヘッドショットを狙い、弾が尽きれば警棒で殴る。特にこの近接攻撃が意外と強く、弾薬節約のためにゾンビ(のような敵)を警棒でタコ殴りにしていると、恐怖感よりも「いかに効率よく処理するか」というゲーマー魂に火がついてくる。
マップ機能も親切で、探索済みの部屋や未回収のアイテムがある場所がわかりやすく表示される。このあたりのUI周りは現代的に洗練されており、ストレスを感じさせない作りになっているのが好印象だ。
「HP=時間」という発明とループの緊張感

本作最大の特徴は、タイトルにもある通り「タイムループ」だ。主人公は重傷を負っており、放置すれば15分で死亡する。この「残り時間」がそのままHP(体力)として機能しているのが面白い。
敵の攻撃を受けると、HPバーが減る代わりに残り時間がガクッと減る。つまり、ダメージを受けることは死へのカウントダウンを早めることを意味するのだ。回復アイテムを使えば時間は伸びるが、それでも常に時計の針に追われる感覚は、探索主体のホラーゲームに良いスパイスを与えている。
死んでしまえばループが発生し、また最初から(あるいはセーブポイントから)やり直しとなるが、プレイヤー自身の知識やマップの構造理解は引き継がれる。いわゆる「死んで覚える」ローグライク的な楽しさと、メトロイドヴァニア的な探索の楽しさが上手く融合している。
粗さはあるが、愛すべきB級感

もちろん、1,600円のインディーゲームなので粗さはある。 カメラワークが狭い場所で暴れたり、壁際で視界が悪くなったりする「あるある」な挙動はご愛嬌。また、主人公のボイス演技が妙にハイテンションで、事あるごとに叫び散らすのには苦笑いしてしまった。「そこまで叫ばなくても…」とツッコミを入れながらプレイするのも、また一興だ。
しかし、グラフィックの雰囲気作りは本物だ。薄暗い病院の廊下、懐中電灯が照らす埃っぽい空気感。Unreal Engineで描かれる恐怖演出は、低価格帯とは思えないクオリティを出している。開発者がユーザーのフィードバックに頻繁に反応し、バグ修正や改善を行っている点も応援したくなるポイントだ。
総評:大作ホラーの発売を待つ間の「極上の繋ぎ」

『Fear The Timeloop』は、AAA級タイトルのような完璧なポリッシュはないかもしれない。しかし、サバイバルホラーというジャンルへの愛と、「15分制限」という独自のアイデアが光る良作だ。
ボリュームも初見で数時間から10時間程度と、週末にガッツリ遊ぶのに丁度いい。大手メーカーの新作ホラーゲームを待っている間の「繋ぎ」として、あるいは純粋にクラシックなホラー体験を求めている人にとって、この1,600円は決して無駄にはならない投資になるはずだ。
深夜、部屋の明かりを消して、ヘッドフォンをして挑んでみてほしい。ただし、15分ごとに訪れる「死」の恐怖に耐えられるなら、だが。
ゲーム概要
- タイトル: Fear The Timeloop
- 発売日: 2026年1月30日
- ジャンル: サバイバルホラー / TPS
- 開発元: TacoEaters
- 対応言語: 日本語字幕対応
- 価格: ¥1,600
- ストアURL: https://store.steampowered.com/app/2918090/Fear_The_Timeloop/






