移動キーで動き、ボタンで撃つ。そんなアクションゲームの「当たり前」に飽きていませんか? 今回紹介する『Baseless』は、そんなゲーマーの脳みそを物理演算でシェイクする、とんでもなくユニークで、そして最高にクールな一作です。
開発はFermenter Games。なんとたった一人の開発者によって作り上げられたという本作は、その鮮烈なビジュアルと、一度ハマると抜け出せない中毒性のある操作感で、すでにコアなアクションゲーマーたちの心を掴んでいます。
一見すると可愛らしいSFシューティングですが、コントローラーを握った瞬間、その牙を剥きます。「思うように動けない」もどかしさが、次第に「意のままに宇宙を駆ける」全能感へと変わる瞬間……そのカタルシスをレビューしていきます。
「撃つ」=「動く」? 脳がバグる操作体験

本作最大の特徴にして、プレイヤーを最初に絶望(そして歓喜)させるのが、「移動と攻撃が一体化している」というシステムです。 主人公「Caf」は、普通に歩いたりジャンプしたりすることはできません。手に持った武器「S.P.I.N.G.U.N.」を射撃し、その強烈な「反動(リコイル)」を利用して推進するのです。
右へ行きたければ、左へ撃つ。上へ飛びたければ、地面に向かって撃つ。 言葉にするとシンプルですが、実際にプレイするとこれが猛烈に難しい!敵が右にいるからといって右に撃てば、自分は左へとすっ飛んでいきます。敵を倒そうと乱射すればするほど、制御不能のピンボールのように宇宙空間を跳ね回ることに。
最初は「なんで思うように動けないんだ!」と叫びたくなるかもしれません。しかし、プレイ開始から数十分後、あなたの脳内で革命が起きます。「反動」を計算し、慣性を利用して敵の弾幕を華麗にかわし、すれ違いざまにショットガンで敵を粉砕できた瞬間――。 そこには、他のゲームでは味わえない、脳汁溢れる「操作の支配感」が待っています。
360°重力の惑星を飛び回る「宇宙遊泳」の美学

舞台となるのは、360°の重力が働く小さな惑星たちが点在する銀河。 『スーパーマリオギャラクシー』を2Dにし、さらにハイスピードな銃撃戦をプラスしたような感覚と言えば伝わるでしょうか。
惑星の重力圏に入れば着地し、そこから宇宙空間へとダイブする。この重力の切り替わりと、自身の射撃による推力が組み合わさり、独特の浮遊感を生み出しています。 単に撃ちまくるだけでなく、敵の攻撃を防ぐ「バブルシールド」や、敵をスタンさせる剣、グラップリングフックなどのサブウェポンを駆使するテクニカルな面も充実。特にシールドで慣性を殺してピタッと止まり、そこから狙い澄ました一撃を放つアクションは、職人芸のような渋いカッコよさがあります。
ソロ開発とは思えない圧倒的なセンスとボリューム

スクリーンショットを見れば分かる通り、ビジュアルはネオンカラーが映える独特のアートスタイル。視認性は抜群で、激しい弾幕の中でも自機を見失うことはありません。 そして特筆すべきは音楽。これも開発者が手掛けているというのだから驚きです。プレイ中の高揚感を煽るBGMは、アクションのテンポと完璧にシンクロしています。
また、単なるステージクリア型のアクションにとどまらず、拠点の「Stellar Hollow」では、救出した仲間たちとの交流や、釣り、レースといったミニゲームも楽しめます。ローグライト的な強化要素もあり、死んで覚えて強くなるサイクルが丁寧に作られているため、難易度は高いものの理不尽さは感じさせません。
総評:アクションゲームの原初的な喜びがここにある

『Baseless』は、決して「誰でも簡単に楽しめる」ゲームではありません。最初のハードルは確かに高い。しかし、それを乗り越えた先には、自分のスキルが上達していく喜び、キャラクターと一体化する没入感という、アクションゲームが本来持っていた純粋な楽しさが詰まっています。
「操作に慣れるまでがチュートリアル、慣れてからが本番」 指先が宇宙の法則を理解したとき、あなたは重力から解き放たれ、誰よりも自由に銀河を舞うことができるでしょう。 一風変わった、でも最高に熱くなれるアクションを探しているなら、この『Baseless』は間違いなく「買い」です。
ゲーム概要
- タイトル: Baseless
- ジャンル: 360°重力アクション / シューティング / 2Dプラットフォーマー
- 発売日: 2025年12月4日
- 価格: ¥1,500
- 開発元: Fermenter Games
- パブリッシャー: First Break Labs
- 対応言語: 日本語字幕対応
- ストアURL: Steamストアページへ






