文明の喧騒から遠く離れ、緑豊かな未開の地に降り立つ。しかし、そこはリゾート地ではない。酸素すら毒となる「太古の地球」だ。
Space Goblin Studioが手掛ける『ASTROBOTANICA(アストロボタニカ)』は、宇宙船の墜落によって地球に不時着した異星人の学者「クセル」となり、故郷を救うための植物を探しながら生き延びるオープンワールド・サバイバルゲームだ。
本作が放つ、独特な「植物学者としてのサバイバル」という手触りについて、プレイフィールを交えてお伝えする。
酸素を捨て、二酸化炭素を吸う逆転のサバイバル

まず驚かされるのは、本作のリソース管理のユニークさだ。主人公は異星人であるため、我々にとっての生命線である酸素を必要としない。代わりに必要なのは「二酸化炭素」だ。
常に二酸化炭素の残量を気にしながら、不毛な土地を耕し、植物から必要な成分を抽出する。この「地球の常識が通用しない」感覚が、未知の惑星(たとえそこが過去の地球だとしても)を探索している没入感を高めてくれる。
序盤は墜落した宇宙船の周辺から離れるのが怖いが、植物を研究し、二酸化炭素を補給できる「ミクスチャー(調合薬)」の作り方を覚えると、一気に行動範囲が広がる。この、知恵で生存圏を広げていくプロセスこそが本作の醍醐味だ。
原始の美しさに秘められた、実験と対話の楽しみ

フィールドは非常に美しく、どこか幻想的な色彩に満ちている。探索を進めると、言葉も通じない「原始人類(ネアンデルタール人)」との出会いが待っている。彼らに自作の薬を与え、治療を通して信頼を勝ち得ていく過程は、単なる資源の奪い合いではない、本作らしい平和的なアプローチだ。
また、本作には「P.R.I.M.A.L. システム」と呼ばれるスキルツリーが存在する。惑星知識やリサーチなど、学究的な分野に特化した育成が可能で、自分のプレイスタイルに合わせて「より有能な学者」へと成長していく手応えが心地よい。
荒削りながらも「知的好奇心」を刺激するポテンシャル

現在、本作は早期アクセス(EA)段階にあり、一部の操作性やUIの不親切さ、コンテンツのボリューム不足を感じる場面があるのも事実だ。特に、拠点を自由に築くためのリソースバランスや、夜間の過ごし方については今後のアップデートに期待したいところ。
しかし、それを差し引いても、本作の「植物を調べ、環境に適応する」というコンセプトは非常にフレッシュだ。キウイのような鳥に追い回されたり、ドードーをペットにしたりといったシュールで温かみのある体験は、殺伐としたサバイバルゲームに疲れたプレイヤーにとって、最高の癒やしになるだろう。
淡々と進む研究の日々。だが、ふとした瞬間に広がる太古の絶景と、新しい植物を発見したときの高揚感。この星には、まだ解き明かされるべき秘密が山ほど眠っている。

ゲーム概要
- タイトル: ASTROBOTANICA
- 開発元: Space Goblin Studio
- 発売日: 2026年2月16日
- 価格: ¥ 2,280
- ジャンル: オープンワールド・サバイバル / 植物学アドベンチャー
- 主な特徴:
- 植物の耕作と、抽出した成分によるミクスチャー(調合薬)の作成。
- 異星人の肺に合わせた、火を使わない二酸化炭素抽出システムの開発。
- 原始人類との交流、言語の学習、および医療支援による信頼構築。
- 6つの専門分野からなるスキルツリー「P.R.I.M.A.L. システム」による育成。
- 古代の遺跡や謎解き要素が点在する広大なオープンワールドの探索。
- ストアリンク: Steam – ASTROBOTANICA






