ダンジョンRPG(DRPG)ファンにとって、あの「ととモノ。」シリーズの集大成とも言える第3作目がリマスター版として帰ってきたことは、一つの事件と言っても過言ではないだろう。かつてPSPで寝る間を惜しんで潜ったあの学園生活が、高解像度のビジュアルと遊びやすさを増したシステムで再び幕を開ける。
本作は、プレイヤーが3つの異なる学園から一つを選び、自分だけの生徒(キャラクター)を作成して、未知の迷宮へと挑む学園ファンタジーDRPGだ。シリーズの中でも特に自由度が高く、評価の分厚い「3」をベースにしている。
圧倒的な自由度で描く「自分たちだけ」のパーティ

まず驚かされるのは、キャラクターカスタマイズの幅広さだ。選べる種族や学科(職業)の組み合わせは膨大で、正統派のファンタジー構成から、ネタに走ったユニークなパーティまで思いのまま。リマスターにあたって2Dグラフィックが非常にシャープになっており、喜怒哀楽に合わせて変化する生徒たちのポートレートは、過酷な探索の中でも確かな愛着を感じさせてくれる。
特に本作から導入された「相性設定」システムが面白い。特定のキャラ同士に「好き」「嫌い」といった感情を設定することで、戦闘中に特別な協力技が発動したり、ステータスに影響が出たりする。ゲーム内のテキストで語られる以上の「物語」をプレイヤーの脳内で補完できるこのシステムは、まさにDRPGの醍醐味といえる。
歯ごたえ抜群の迷宮探索と「相性」の妙

実際にダンジョンへ足を踏み入れると、そこには古き良き「Wizardry」の流れを汲むストイックな世界が広がっている。一歩一歩マッピングを進め、罠を回避し、宝箱の解除に一喜一憂する。序盤の難易度は決して低くない。油断すれば雑魚敵の一撃でパーティが半壊することもあるが、その分、装備を整え、レベルを上げた際の「強くなった実感」は格別だ。
リマスター版での大きな改善点として、一度踏破した場所へのオート移動機能が非常に快適だ。テレポート手段が限られる序盤から中盤にかけて、この機能があるおかげでテンポ良く探索を進められる。また、錬金システムも強力で、道中で拾ったガラクタを素材に強力な武器を打ち出した時の高揚感は、本作ならではの体験と言えるだろう。
荒削りな部分すら愛おしい、深淵なるハクスラ体験

もちろん、手放しで万人向けと言い切れるわけではない。エンカウント率の高さや、特定学科の圧倒的な強さといった大雑把なゲームバランス、そして一部の不親切なUIなど、オリジナル版が持つ「尖った部分」もそのまま継承されている印象だ。しかし、それすらも「この時代のDRPGを遊んでいる」という感覚を強めてくれる。
後半、強力な全体魔法を習得し、数多の敵をなぎ倒しながらレア装備を求めて潜り続ける時間は、まさに至福だ。緻密なリソース管理と、ギリギリの戦いを制する喜び。昨今の親切すぎるゲームに物足りなさを感じているなら、この学園の門を叩いてみる価値は十分にある。
総評:DRPGの楽しさが詰まった、色褪せない名作

『剣と魔法と学園モノ。3 Remaster』は、単なる懐古趣味に留まらない、確かな遊び応えを持った一本だ。古臭さを感じるシステムも一部あるが、それを補って余りあるカスタマイズの楽しさと、中毒性の高い探索がここにはある。
初めてDRPGに触れるプレイヤーには、少し厳しい洗礼が待っているかもしれない。だが、試行錯誤の末に自分だけの最強パーティを作り上げた時、あなたはきっとこの学園を卒業したくなくなっているはずだ。
ゲーム概要
- タイトル: 剣と魔法と学園モノ。3 Remaster
- 発売日: 2025年9月18日
- 価格: ¥ 2,980
- 開発元: ACQUIRE Corp. , Zerodiv
- パブリッシャー: PQube
- ジャンル: 3DダンジョンRPG
- プラットフォーム: PC (Steam) 他
- 特徴:
- 3つの異なる学園から入学先を選択可能
- シリーズ最大級のキャラクター、種族、学科の組み合わせ
- 生徒同士の関係性が戦闘に影響する「相性設定」システム
- オート移動機能など、リマスターによる操作性の向上
- ストアリンク: Steamストアページ







