ダークな部屋で青白く光るモニター、無機質に並ぶコマンドライン、そしてターゲットの懐へ潜り込む緊張感。映画やアニメで見た「ハッカー」の姿に憧れたことがあるなら、本作はその夢を最も現実的な形で叶えてくれる一足になるだろう。
1月26日にリリースされた『HackHub – Ultimate Hacker Simulator』は、単なる「ハッカーごっこ」で終わらない、骨太なシミュレーション体験を提供してくれる。
画面の向こう側に広がる「本物」の質感

本作を起動してまず驚かされるのは、その徹底したインターフェースの作り込みだ。独自のOS画面が広がり、そこでは ls や cd といった、Linuxユーザーにはお馴染みのコマンドがそのまま通用する。
特筆すべきは、実在するツールをモデルにしたガジェットの数々だ。ネットワークをスキャンする nmap、パスワードを強引にこじ開ける hydra、そして脆弱性を突く metasploit。これらを使いこなし、ターゲットのIPアドレスを特定し、脆弱性を探し当て、ついに管理者権限を手に入れる――そのプロセスは、まるでプロのエンジニアが仕事をしているかのような錯覚に陥るほどだ。
孤独な作業を彩るスリリングな物語

「コマンドを打つだけなら退屈ではないか?」という懸念は、開始数分で霧散した。本作には引き込まれるストーリーが用意されており、プレイヤーは様々な依頼をこなす中で、デジタル世界の巨大な陰謀へと足を踏み入れていく。
ミッションの内容は多岐にわたる。企業の機密データを盗み出すオーソドックスなものから、時には何百万ドルという大金を転送するような大胆なミッションまで。筆者が特に興奮したのは、進めるうちに「第三者からのハッキング攻撃」を受けるようになる点だ。自分が攻めているつもりが、いつの間にか背後を狙われている。この双方向の緊張感こそが、本作を単なるパズルゲームから「ハッカー・シミュレーター」へと昇華させている。
突き放されるからこそ味わえる「突破」の快感

正直に言おう。本作の難易度は、最近の親切すぎるゲームに慣れた身にはかなり堪える。進捗が「次はこれをしろ」と大雑把に示されるだけの場面もあり、数時間の間、たった一つのステップを突破するために handbook(ゲーム内辞書)を読み込み、試行錯誤を繰り返すこともあった。
しかし、その「突き放されている感」がたまらない。自力で糸口を見つけ、ターゲットの防御を突破した瞬間のアドレナリンは、他のゲームではなかなか味わえないものだ。日本語訳に一部怪しい箇所があり、人名や企業名の検索で英語版への切り替えが必要になるような「リアルなトラブル」すら、ハッカーとしてのトラブルシューティングの一部に感じられてくるから不思議だ。
総評:キーボードを叩く指が止まらない

『HackHub』は、誰にでも勧められるカジュアルなゲームではない。しかし、コマンドラインの美学に惹かれる者や、自分の知恵だけで鉄壁の要塞を崩したいと願う者にとって、これ以上の遊び場はないだろう。
洗練されたUI、リアルなツール、そして挑戦的なミッション。デジタル世界の深淵を覗き込み、自分自身の価値を証明する準備はできているだろうか。
ゲーム概要
- タイトル: HackHub – Ultimate Hacker Simulator
- 開発元: HotBunny
- パブリッシャー: G-DEVS.com, Games Operators
- 発売日: 2026年1月26日
- 価格: ¥1,400
- 対応言語: 日本語字幕、英語ほか
- ジャンル: ハッキングシミュレーター、パズル
- 主な特徴:
nmapやhydraなど実在ツールに基づいたリアルなハッキング体験- Linuxライクなコマンドラインインターフェース
- プレイヤーの選択が結果を左右する没入型ストーリー
- 自作スクリプトによる自動化やカスタマイズ機能
- ストアリンク: Steamストアページ






