2000年代の熱狂を呼び覚ます、あまりにも馬鹿げた、そして最高にクールな一作が登場した。スウェーデンのRaw Furyが放つ『Last Man Sitting』は、プレイヤーが「オフィスチェアに座ったまま」重火器をぶっ放し、押し寄せる意思を持ったオフィス家電たちをなぎ倒すローグライト・アクションシューターだ。
仕事に疲れ、椅子から立ち上がる気力もない。そんな現代人の深層心理を突いたかのような本作のプレイフィールをお届けする。
椅子こそが最強の兵器。シュールかつハイスピードな戦闘体験

本作を始めて最初に驚くのは、その移動感覚だ。自室のデスクでなんとなく椅子を滑らせる、あの独特の慣性が戦闘の核になっている。
二足歩行を捨て、四つのキャスターに命を預けて戦場を滑走する感覚は、他のシューターでは味わえない唯一無二の魅力だ。最初は「操作が独特だな」と感じるかもしれないが、慣れてくればグラインドやトリックを決めながら敵を翻弄する快感に変わる。2000年代のゲームシーンを彷彿とさせる、少し粗削りでエネルギッシュなビジュアルが、このハチャメチャなコンセプトに驚くほどマッチしている。
襲いかかるのは、意識を持ってしまったウォーターサーバーや掃除機といった家電たち。これらをショットガンやガトリング、時には花火ランチャーで粉砕していく様は、日頃のストレスを解消する最高のアドレナリン源だ。
2000通り以上のビルドが生む「ぶっ壊れ」の快感

ローグライトとしての作り込みも妥協がない。レベルアップごとに提示される200種類以上のパワーアップは、組み合わせ次第で戦況を劇的に変貌させる。
特定の武器とスキルが噛み合い、画面を埋め尽くすような爆発や弾幕で敵を溶かしていく「ぶっ壊れビルド」が完成した瞬間は、まさに至福。あえて安定を捨てて、ピーキーな性能の椅子や武器を強化していく試行錯誤には、時間を忘れて没頭してしまう。
シングルプレイのストイックな攻略はもちろん、友人とカオスを共有する協力プレイ、そして「戦略調整会議」と称した4人対戦のPvPアリーナも熱い。椅子でぶつかり合いながら王の座を奪い合う体験は、友情(と椅子)を破壊しかねないほどの盛り上がりを見せる。

総評:忙しい現代人に捧げる、極上の12分間
1セッションが約12分という設計も秀逸だ。仕事の合間や寝る前のわずかな時間に、デスクから離れることなく「職場のカオス」を制圧できる。
最適化の面で、派手なビルド時にフレームレートが乱れる場面や、ネットワークの不安定さが顔を覗かせることもあるが、それを補って余りある「勢い」と「オリジナリティ」がここにはある。真面目に不真面目なことをやる、その熱量が画面から溢れ出しているのだ。
仕事に、上司に、あるいは動かない家電にイライラしているなら、今すぐこの「椅子」に座るべきだ。

ゲーム概要
- タイトル: Last Man Sitting
- ジャンル: ローグライト・アクションシューター / TPS
- 発売日: 2026年3月31日
- 価格: 1,200円
- 開発元: DoubleMoose Games
- パブリッシャー: Raw Fury
- 対応言語: 日本語字幕対応
- プラットフォーム: PC(Steam)
- ストアページ: Steam:Last Man Sitting






