人気配信者としての華々しいキャリアが一瞬にして泥沼のサスペンスへと変貌する――。Button InteractiveとNAISUが手掛けた新作インタラクティブ・シネマ『ゆすられた配信者』は、全編実写(FMV)で展開される非常に尖ったソリッドなサスペンスアドベンチャーだ。
まずは、緊迫のゲームプレイの雰囲気を捉えた公式映像をチェックしてほしい。
スポットライトの裏に潜む悪意

プレイヤーは、大手スポンサーとの契約が決まり、まさに人生の絶頂期を迎えていた配信者「PinkyPie」の運命を握る当事者となる。病気の母親の治療費を稼ぐため、意気揚々とファンに向けて生配信を始めた彼女だったが、チャット欄に現れた謎の人物からのメッセージによって、事態は急転直下、天国から地獄へと突き落とされる。
「5万ドル支払わなければ、プライベートな秘密の映像を拡散する。配信は絶対に止めるな」
画面の向こうで怯え、助けを求める彼女に対して、プレイヤーが下せる決断の猶予はごくわずか。リアルタイムで進行する配信の裏側で、視聴者を退屈させず、モデレーターたちに不審がられず、そして何より脅迫者を刺激しないように立ち回るという、息の詰まるような緊張感が本作の最大の魅力だ。
リアルな日常に侵入してくる「当事者感」の恐怖

本作をプレイして最もゾクッとしたのは、その「嫌なリアルさ」だ。脅迫者は間違いなく自分の身近にいる。容疑者として浮上するのは、日頃から配信を支えてくれているモデレーターたちや、親友、そしてどこか執着を感じさせる元カノといった、密接な関係にある5人の人物。
ゲーム内には「ノートブックシステム」が用意されており、怪しいセリフや行動を選択肢を通じて見つけ出すと、手がかりが自動で記録されていく。ただのテキストデータとして残るだけでなく、その手がかりを得た瞬間の映像をいつでもピンポイントで再確認できるため、実写ドラマのキャラクターたちの微表情や声のトーンを何度も見直して精査する、本物のデテクティブ(探偵)さながらの深い推理体験に没頭できた。
感情を揺さぶる実写ならではの没入感と分岐点

全3章で構成される物語には、実に50以上の重要な分岐点が用意されている。緊迫した場面で突如発生するクイックタイムイベント(QTE)や、制限時間付きの選択肢は、プレイヤーの鼓動をダイレクトに跳ね上げる。
「本当にこの選択で合っているのか?」という葛藤が、常に頭を離れない。時に過去の記憶へと遡り、彼女の複雑な人間関係の裏に隠された真実の断片を手繰り寄せていく過程は、良質なサスペンス映画を自らの手で編み上げているかのような錯覚に陥るほどだ。
もちろん、インディーゲーム特有の荒削りな部分や、一部のシーンのテンポ感に好みが分かれる側面はある。しかし、配信者という現代的なテーマに真っ向から切り込み、最後までプレイヤーを油断させないプロットの妙、そして選択によって全く異なる展開を見せる5つのマルチエンディング構造は、この価格帯の作品としては十分すぎるほどの満足感とカタルシスを味わわせてくれた。真犯人を暴き、完璧な解決に辿り着いた瞬間の快感は、ぜひ自身の目で確かめてほしい。
ゲーム概要
- タイトル:ゆすられた配信者
- ジャンル:インタラクティブ・シネマ / サスペンスアドベンチャー
- 発売日:2026年4月6日
- 価格:1,000円
- 開発元:Button Interactive , NAISU
- パブリッシャー:GameDev.ist , Gamersky Games
- 対応言語:日本語字幕対応
- プラットフォーム:Steam
- ストアページ:https://store.steampowered.com/app/2425130/_/





