カナダの実力派インディースタジオTREBUCHETが放つ、新作オープンワールドVR飛行アドベンチャー『Compass』が、Meta Quest 3/3SおよびSteamVR向けにリリースされた。本作は、未知の雲海に包まれた異世界の大空を舞台に、飛行艇を操って探索を進めるVR専用タイトルだ。
プレイヤーは移動する船団(キャラバン)の調査員となり、危険な航路を切り拓きながら、失われた貨物の回収や行方不明になった仲間の捜索に挑むことになる。
操縦桿を握りしめて大空へ! 独自の浮遊感が生む圧倒的な没入感

コックピットに乗り込み、仮想の操縦桿をその手で握る――。この瞬間から、現実世界とは完全に切り離された美しいパステル調の空の旅が始まる。本作の飛行メカニズムは、物理挙動を取り入れた独特の操作感となっており、大空を本当に滑空しているかのような心地よい浮遊感を味わえるのが最大の魅力だ。
実際にプレイしてみると、船体の旋回には少し大きめのハンドリングが必要な場面もあり、思い通りに操縦するには多少の慣れが必要だ。しかし、この一筋縄ではいかない操作性こそが、逆に「自分の手で乗り物をコントロールしている」という強い実感をVR空間内にもたらしてくれる。風を切りながら広大な雲海をのんびりと進む時間は、日々の忙しさを忘れさせてくれるほど非常にメディテーティブで、極上の癒やし体験と言える。
船を降りればスパイダーマン!? グラップルが魅せる爽快アクション

本作の面白さは、コックピットの中だけに留まらない。飛行艇を降り、古代の遺跡や空中構造物にアプローチする際は、両手に装備した「グラップル(引っ掛けフック)」を駆使したダイナミックなアクションへと変貌する。
このグラップルによる移動が、驚くほどスピーディーで爽快なのだ。遺跡の壁から壁へとフックを引っ掛け、自らの身体を引っ張るようにして飛び回る感覚は、まるで空中を自在に舞うヒーローそのもの。周囲にはパズル要素の詰まった仕掛けや、絶妙なルート構築を求められる環境チャレンジが多数散りばめられており、プレイヤーの挑戦欲を激しく刺激してくる。ただの飛行シミュレーターではなく、この生身のアクションが融合しているからこそ、探索のメリハリが非常に心地よい。
荒削りな部分すら愛おしい、世界観に宿る「確かなソウル」

本作はいわゆる「激しい戦闘」をメインとした作品ではない。しかし、大空が常に安全というわけではなく、道中には船体を大破させる防衛ターレットや空中機雷といった危険なギミックが配置されており、ほどよい緊張感を提供してくれる。ナビゲーションのガイダンスが少なめで、広大な空で次にどこへ向かうべきか迷う瞬間もあるが、それすらも「未知の領域を冒険している」という楽しさに昇華されている。
一部の環境において、ターン時のフレームレートの挙動や、物理演算の挙動に若干の硬さが残るなど、インディーゲームらしい荒削りな側面が見受けられるのは事実だ。グラフィック設定がシンプルであるため、PCスペックやVRヘッドセットの環境によっては最適化の余地を感じるかもしれない。
だが、そんな細かな不満点を完全に覆い隠すほど、本作が持つアートスタイル、愛らしいNPCたちとの交流、そして何よりも世界観にマッチした素晴らしいBGMのクオリティが群を抜いている。このゲームには、間違いなく開発者のこだわりと「ソウル(魂)」が宿っている。時間を忘れてこの世界に浸り続けたいと思わせる、不思議な魅力に満ちた一本だ。

ゲーム概要
- タイトル:Compass
- ジャンル:オープンワールドVR飛行アドベンチャー
- 発売日:2026年5月28日
- 開発元:TREBUCHET
- パブリッシャー:TREBUCHET, Creature Label
- 価格:¥ 1,700
- 対応プラットフォーム:Meta Quest 3 / 3S, SteamVR(※PlayStation VR2版は後日発売予定)
- 言語対応:日本語非対応
- 主な特徴:
- 飛行艇の操縦:移り変わる美しい環境と広大なオープンワールドの空を自由に飛行。
- 機体のアップグレード:新たなコンポーネントを導入し、より危険な航路や遠方への探索を可能に。
- グラップルパズル:コックピットを飛び出し、フックを使って遺跡をスイング、クライミングしながら環境パズルに挑戦。
- 未知の探索と仲間探し:雲海に暮らす人々との出会い、失われた貨物の回収、そして行方不明の仲間たちの足跡を追う旅。
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