かつて繁栄を極めた中世の架空都市《リモア》は、破壊された聖物《メモリス》から溢れ出た「夜霧」に包まれ、恐るべきクリーチャーが徘徊する死の廃墟へと変貌を遂げた。プレイヤーに課せられた使命は、生き残った僅かな仲間たちを率いてこの暗黒の街を探索し、再び光を灯すこと。
本作は、圧倒的な数の脅威に対し、たった3人の遠征隊で立ち向かう、極めて緊密で計算高い戦略を要求されるターン制ストラテジーRPGだ。
まずは、本作の緊迫感あふれるゲームプレイの様子を、以下の公式映像から確かめてほしい。
一歩の妥協も許されない緊張感!地形と戦術が織りなす至高のタクティクス

このゲームが持つ最大の魅力、それは「一手で戦況が180度変わる」極限のポジショニングバトルだ。
出撃できるユニットはわずか3人。対するクリーチャーは数十、時には100体以上。まともに正面衝突すれば、一瞬で磨り潰されるのは目に見えている。だからこそ、マップの「狭い通路」をいかに利用するか、障害物をどう配置するかといった空間のコントロールが勝敗のすべてを握る。
実際にプレイしてみると、そのヒリヒリとした手触りに脳が震える。敵に発見されると周囲の群れが連鎖的に押し寄せるため、いかに気づかれずに有利な陣形を組むかという「接敵前」の段階から勝負は始まっているのだ。盾を構える近衛騎士で敵の進路を塞ぎ、高台から弩兵で狙撃、死角から影の修道女が暗殺を決める。緻密に組み立てた計画がカチリと噛み合い、数倍の敵を無傷で制圧した瞬間の脳内物質の分泌量は、他の生ぬるいシミュレーションRPGの比ではない。
「力押し」が通用しないからこそ、一歩下がる決断、あえてターンを譲る判断など、プレイヤー自身の戦術眼がそのままダイレクトに反映される硬派な設計がたまらない。
亡者の記憶を喰らい、己を研ぎ澄ます「結束」とビルドの深み

生き残るための手段は限られているが、キャラクターのカスタマイズ性は極めて広い。
探索の中で回収したリモア人の記憶の欠片《メモリスの破片》を生存者に「結束」させることで、130種類以上におよぶ多彩な能力やパッシブスキルを自由に習得させることができる。 さらに、装備する武器によって使用できる攻撃スキルが変化するため、どの能力を組み合わせ、誰にどの武器を握らせるかという「ビルド構築」の楽しさは底が知れない。
ダメージを受けることで手数を増やすカウンター特化の騎士や、地形のノックバックを利用して敵同士を激突させて圧殺する傭兵など、シナジーを発見した瞬間の喜びは格別。戦況を自らの手で支配している全能感をしっかりと味わうことができる。

闇を切り裂くカタルシス!「光の柱」を巡る退路なき撤退戦
本作の目的は敵の全滅だけではない。都市の各所に点在する《導きの柱》に光を灯し、安全な隠れ家へと帰還することだ。
探索中、常に遠征隊の意志を蝕み続ける「夜霧」の存在が、プレイヤーの精神をじわじわと追い詰めていく。この「意志の摩耗」との戦いが絶妙なスパイスとなっており、引き際を見極める冷徹な判断力が試される。
どれほど周囲に敵が蠢いていようとも、仲間のうち誰か1人でも「光の柱」に到達し、一定ターン耐え抜いて浄化を完了すれば、光の奔流が瞬時に周囲のクリーチャーを消し去る。 この絶体絶命の包囲網をかいくぐり、満身創痍の状態で柱に手を伸ばす瞬間のスリル、そして光が世界を取り戻した瞬間のビジュアル的・精神的カタルシスは、本作ならではのハイライトと言えるだろう。
総評:ダークファンタジーの深淵に潜む、贅沢なまでの思考体験

『MEMOLITH: Forsaken by Light』は、美しいドット絵で描かれる退廃的な世界観と、運に頼らないロジカルな思考を求める硬派なゲームデザインが見事に融合した傑作だ。
難易度は決して低くなく、甘い配置一つで奈落の底に突き落とされる厳しさもある。だが、理不尽な死ではなく、すべては己の選択の結果。だからこそ「もう一度、今度は違う戦術で」と、気がつけば深夜までコントローラー(あるいはキーボード)を握りしめてしまう中毒性がある。
ダークファンタジーに飢えているゲーマーや、1手の重みに焦がれる戦略家たちに、ぜひこの絶望と希望が交錯する都市へと足を踏み入れてほしい。
ゲーム概要
- タイトル:MEMOLITH: Forsaken by Light
- 日本語対応:日本語字幕
- ジャンル:ターン制ストラテジーRPG
- 発売日:2026年4月27日
- 開発元:Black Anchor
- パブリッシャー:Webzen
- 対応プラットフォーム:PC(Steam)
- 価格:¥ 2,600
- Steamストアページ:MEMOLITH: Forsaken by Light on Steam






