PC作業中、画面の隅で健気に動くドット絵のキャラクターを眺める——そんな「デスクトップ常駐型」の放置ゲームが密かに人気を集めている。だが、今回紹介する『Petunia’s Purgatory』は、ただの「ほのぼの農場で作業用BGMを流すゲーム」だと思って触ると、大いに裏切られることになるだろう。
本作のテーマは、なんとクトゥルフ神話的なコズミックホラーと農場経営の融合。画面下部にひっそりと佇むその空間では、旧神への供物を捧げるための不穏な農耕生活が繰り広げられている。
画面下部に広がる、可愛らしくも不気味な「歪んだ農場」

起動すると、画面の最下部に小さな農場が現れる。作業の邪魔にならない絶妙なサイズ感でありながら、そこに描かれているドット絵の質感とアニメーションは実に丁寧で愛らしい。
しかし、育てている作物の名前やグラフィックをよく見ると……どこか様子がおかしい。異形の植物や触手を栽培し、果ては農場にやってきた変異動物から《血》を得て調理し、納屋に潜む太古の存在へ捧げ続けるのだ。召喚できる小さな妖精たちがせっせと農作業をこなす姿は微笑ましいものの、やっていることの邪悪さとのギャップが強烈な独自の魅力を放っている。
画面を侵食する「SAN値低下」の演出が実に心憎い

本作最大のポイントは、主人公ペチュニアの「正気度(SAN値)」システムだ。呪われた作物を育てて供物を捧げていると、ペチュニアの正気度はゴリゴリと削られていく。
SAN値が下がり切ると、プレイヤーのデスクトップ画面に“異変”が起こり始める。画面にノイズや亀裂が入ったり、不気味な視覚効果が作業中のウィンドウに割り込んできたりと、第四の壁を越えてプレイヤーの視界を侵食してくるのだ。一瞬「PCの不具合か?」とヒヤリとさせられる演出の数々は実にコミカルで面白い。
この狂気状態を防ぐには、農場に綺麗な花やデコレーションを配置して心を落ち着かせてやる必要がある。過酷な収穫ペースと正気度の維持、この絶妙なバランス取りが、放置ゲームでありながら適度な緊張感を生み出している。
仕事のお供に最適な、病みつきになるゲームバランス

チルなBGMと心地よい効果音も相まって、仕事や作業のお供としてのクオリティは極めて高い。作業に没頭したい時には進行速度を抑える集中モードやサイズ調整機能も備わっており、プレイスタイルに合わせた柔軟な運用が可能だ。
可愛さと気味悪さが同居した独特の世界観、そして作業の合間にふと見たくなる絶妙なゲームサイクル。「普通の放置ゲームでは物足りなくなった」というプレイヤーに、ぜひデスクトップの一角をこの怪異に明け渡してみてほしい。
ゲーム概要
- タイトル: Petunia’s Purgatory
- 発売日: 2026年7月16日
- 価格: 905円
- 開発元: Dead Possum Games
- パブリッシャー: Level Up Gaming
- 対応言語: 日本語対応(日本語字幕あり)
- ストアリンク: Steamストアページ






