霧深き1960年代のロンドンを舞台に、純粋な論理的思考で事件を解き明かすパズルアドベンチャー『Case Solved: The London Files』がリリースされた。手描きの温かみあるアートワークと心地よいジャズサウンドが漂う本作は、運や直感に頼らない「純度100%の演繹法(ロジックパズル)」を軸に据えたユニークな一作だ。
現場検証から論理のグリッドへ導かれる捜査フロー

本作の基本的なゲームサイクルは明快だ。まず手描きのジオラマ風マップで現場を検証し、証言や手がかりとなるアイテムをクリックして回収していく。隠しオブジェクト探しのようなステップを経て情報を集め終えると、本作の真骨頂である推理パートへと移行する。
推理パートは、いわゆる「アインシュタインの論理パズル(ゼブラパズル)」のルールに基づいている。「Aは赤い部屋にいない」「BはCよりも前に現場に到着した」といった手がかりを論理的に組み立て、容疑者たちの行動や所持品、居場所を矛盾なくグリッド(表)に当てはめていく設計だ。
すべてのピースが噛み合う圧倒的な知的快感

実際にパズルを解き進めると、頭の中で散らばっていた条件がピタリと一本の線につながる瞬間が訪れる。この「すべてが論理的に証明された瞬間」のカタルシスは格別だ。
ストーリーモードには3つのメイン事件(全15ステージ)が用意されており、演劇界の怪事件から時計塔ビッグ・ベンにまつわる謎まで、英国らしいウィットやユーモアを交えながら展開する。難易度設計は全体的にマイルドで、ロジックパズル初心者でもつまずくことなくスムーズに解き進められるだろう。
画面外まで広がる「秘密の事件」という挑戦状

メインストーリーをクリアした後に待ち受けるのが、40件以上収録された「秘密の事件(Classified Cases)」だ。これらはゲーム内だけでなく、ストアページや関連素材の端々に隠された暗号コードを解読してアンロックしていくARG(代替現実ゲーム)的なアプローチが採用されている。
物語やアイテム探しの演出を排し、純粋な難問パズルだけが次々と提示されるこのモードは、歯ごたえのある推理を求めるパズルフリークにとって嬉しいボリュームとなっている。
総評:知的な夜を演出する良質なコージー・パズル

本格的な刑事ドラマとしての複雑な捜査劇を期待するとコンパクトに感じる側面はあるものの、紙とペンを片手に論理を組み立てていくパズルゲームとしての完成度は極めて高い。落ち着いたジャズに耳を傾けながら、じっくりと知恵を絞る贅沢な時間を味わえる良作だ。
ゲーム概要
- タイトル:Case Solved: The London Files
- ジャンル:パズル / 推理アドベンチャー
- 開発元:Minimol Games
- パブリッシャー:SpecNext Ltd
- 発売日:2026年7月29日
- 価格:1,350円(税込)
- 対応言語:日本語字幕対応
- ストアページ:Steamストアリンク



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