全体主義国家を築き上げるコロニー運営シミュレーションと、自ら最前線に立って銃を乱射するローグライトFPS。一見するとまったく噛み合わなさそうな二大ジャンルを大胆に融合させた意欲作『Pax Autocratica』が登場しました。
ディストピアSFのダークユーモアを漂わせつつ、部隊を率いて戦場を駆け抜けるハイテンポなゲームプレイが融合した本作の魅力とプレイフィールをレビューしていきます。
国家を太らせ前線を蹂躙する、やめ時を失うゲームサイクル

本作の基本ループは明快です。拠点で資材を採掘・生産して体制を盤石にし、武装を整えたら兵士を引き連れて惑星遠征へ出撃。現場で敵勢力を壊滅させ、戦利品や新たな人員を確保して帰還し、さらなる国力増強を図ります。
特筆すべきは、拠点運営と前線遠征が互いに不可欠な歯車として噛み合っている点です。拠点を広げるには遠征での素材獲得が必須であり、遠征で生き残るには拠点の研究や兵站強化が欠かせません。「あと1回だけ遠征に出て施設をアップグレードしたらやめよう」と思いつつ、気づけば数時間が溶けていく極めて中毒性の高いサイクルが完成しています。
恐怖で縛るか配慮で従わせるか?冷徹な統治者シミュレーション

コロニーパートでは、生存者たちを労働力として割り振るマネジメントが展開されます。住人には忠誠心、士気、恐怖度、空腹度といったパラメーターが細かく設定されており、単なる作業ユニットにとどまりません。
過酷な労働環境や見せしめによって恐怖で従わせる強権的な支配を行うのか、あるいは手厚い環境と設備で忠誠を勝ち取るのか。プレイヤーの統治方針がそのままコロニーの空気感に直結します。戦場で捕らえた捕虜を教化して新たな労働力や兵士に仕立て上げることも可能で、ディストピア国家のトップとして采配を振るうロールプレイの没入感は抜群です。
弾幕をくぐり抜け部隊と突撃するハイスピードFPSバトル

遠征パートに移行すると、視点は一人称シューティングへ切り替わります。プレイヤーは数々の銃器や近接武器を手に、自ら編成したNPC部隊を引き連れて敵地へ突入。戦場では押し寄せる敵兵や巨大ボス、弾幕が画面を埋め尽くします。
部隊には陣形維持や特定ターゲットへの集中攻撃といった指示をリアルタイムに出すことができ、仲間と肩を並べて前線を押し上げる共闘感は本作ならではの醍醐味です。さらに遠征中に手に入るコア(強化モジュール)によって、武器の性質が劇的に変化したり、部隊員を強固な防壁へと変えたりといったローグライトならではのシナジー構築が楽しめます。電撃やロケット、誘導兵器などのビルドが噛み合った瞬間の爽快感は格別です。
現状の粗削りな部分と今後のポテンシャル

早期アクセス段階ということもあり、粗削りな側面も見受けられます。大人数の人員を抱えるようになると拠点での個別指示に手間がかかる点や、高難度帯におけるビルドや武器バランスの偏り、敵味方NPCの挙動など、洗練の余地を残している部分は少なくありません。
しかし、異なるジャンルの魅力を詰め込んだベースの設計思想は非常にユニークで、すでに何時間も熱中できるだけのポテンシャルをしっかりと確立しています。今後のアップデートによるUI改善やコンテンツ拡充次第で、さらなる化け物タイトルへ化ける可能性を大いに秘めています。
本作はどんなプレイヤーにおすすめ?
- ジャンル複合型のインディーゲームが好きな方:基地建設、育成、ローグライト、FPSといった要素が融合したハイブリッドなシステムに魅力を感じる方。
- 部隊を率いて戦う共闘FPSが好きな方:単独潜入ではなく、自軍のAI兵士を引き連れて前線を押し上げていく集団戦闘を楽しみたい方。
- ディストピア国家の指導者プレイを楽しみたい方:冷徹な法律やプロパガンダ、徹底した管理社会を自分の手で構築・維持することにロマンを感じる方。
ゲーム概要
- タイトル:Pax Autocratica
- ジャンル:コロニーシミュレーション / ローグライトFPS / アクション
- 開発元:Multiverse
- パブリッシャー:Multiverse
- 発売日:2026年8月11日(早期アクセス開始)
- 価格:3,850円(税込)
- 対応言語:英語ほか(日本語非対応)
- ストアページ:Steamストアリンク






