1990年代のPCゲーム黄金期を彩ったスペースコンバットシムと、2D見下ろし型のアクションアドベンチャーを融合させたインディータイトル『Max Savage』がSteamにて配信されている。
個人開発者のTim Rachor氏が手がける本作は、コックピット視点で繰り広げるアーケードライクな宇宙戦と、惑星に降り立って行う探索パートを行き来しながら物語を進めるSFアクションだ。どこか懐かしくも遊びやすい手触りに仕上がった本作の魅力とプレイ感をレビューしていく。
追放されたパイロットが辺境宙域を生き抜くSFドラマ

主人公のマックス・サヴェージ(Max Savage)は、連邦軍に所属するパイロットだ。ある任務中、負傷した海賊の女性ララ(Lara)の処刑命令を拒否したことで上官の怒りを買い、辺境のキル(Kir)星系へと追放されてしまう。故郷から遠く離れた宙域に取り残されたマックスは、自らの階級を取り戻して星系から脱出するため、そして救い出したララとの未来を守るため、傭兵として危険な依頼に身を投じていく。
拠点となる宇宙ステーションには、バーやショップ、医療ベイ、ハンガーといった施設が並び、異星人を含む個性的なキャラクターたちが息づいている。会話パートはアメコミ調のグラフィックに英語のフルボイスが添えられており、90年代の海外PCゲームらしい独特の空気感を演出している。
コックピット視点の宇宙戦と見下ろし型地上探索のハイブリッド構造

本作のゲームプレイは、大きく分けて3D空間での宇宙ドッグファイトと、2D見下ろし視点での惑星探索の2つのパートで構成されている。
宇宙空間での戦闘は、緑色の計器類やレーダーが並ぶコックピット視点で進行する。複雑なシミュレーターの知識は不要で、レーザーによる射撃やミサイルのロックオン、ブーストを直感的に扱えるアーケードスタイルだ。敵機の動きを読みながら照準を合わせ、撃墜した瞬間に広がるドット絵の爆発エフェクトは、往年の名作『Wing Commander』シリーズを彷彿とさせる。つい「あともう1ミッションだけ」と出撃を重ねたくなる軽快なテンポが心地よい。
一方、惑星へ着陸するとゲーム性は一変し、見下ろし視点の2Dアクションアドベンチャーへと切り替わる。愛機を停泊させた着陸地点から霧の立ち込める湿地帯や荒涼とした岩場へ足を延ばし、現地のNPCから情報を集めたり、有毒な胞子を吐き出す原生生物をブレードで切り伏せたりしながら目標を達成していく。宇宙船の操縦だけでなく、自分の足で未知の惑星を歩き回るパートが加わることで、星系を旅している実感がより強く味わえる。
プレイスタイルを広げる機体改修とキャラクター強化

傭兵稼業で得た報酬を使ったカスタマイズ要素も充実している。ステーションのハンガーでは、主砲や副砲、シールド、アーマー、スラスター、コンピューターといった多彩なモジュールを購入し、パズルのようにスロットへ組み込んで自機を強化できる。資金を貯めれば、性能の異なる新たな機体そのものをアンロックして乗り換えることも可能だ。
さらに、強化の対象は宇宙船だけにとどまらない。医療ベイではマックス自身の最大体力や移動速度、回転斬りのような地上戦用スキルをアップグレードできる。宇宙と地上の双方で段階的に強くなっていく成長システムが、依頼をこなすモチベーションをしっかりと支えている。操作デバイスもマウス&キーボード、ゲームパッド、フライトスティックに対応しており、ストーリー重視のモードを含む4段階の難易度設定が用意されているのも親切な設計だ。
実際にプレイして感じた魅力と惜しい点

実際にプレイして強く惹きつけられたのは、やはり90年代のPCゲームに対する開発者のまっすぐなリスペクトだ。フラットシェーディングで描かれたローポリゴンの宇宙船と、緻密なピクセルアート、そしてコミック調の立ち絵が混ざり合うビジュアルは独特の味わいがある。特にコックピットの計器を見つめながら宙域を飛び回る時間は、当時のゲームに熱中した世代なら思わず頬が緩むはずだ。また、動作が非常に軽快で、環境を問わず安定したフレームレートで快適に遊べる点も高く評価したい。
一方で、いくつか粗削りに感じられる部分もある。ストーリー進行と自由な傭兵ミッションの切り替えがやや直線的で、評判(レピュテーション)を稼ぐためのサイドミッションでは同じような依頼を繰り返す場面が見受けられた。また、武装のバランスにおいてミサイルのロックオンに時間がかかりすぎるため、結果的にレーザー主体の戦いになりやすい点や、機体ごとの性能差がマイルドでアップグレードの劇的な変化を感じにくい点は少し惜しい。地上探索パートも、宇宙戦の爽快感に比べるとやや単調に感じられる場面があった。
とはいえ、1,200円という手頃な価格設定と、7時間から10時間程度でクリアまで駆け抜けられるコンパクトなボリュームを考えれば、個人開発のインディーゲームとして十分に満足できる熱量が詰まっている。細かな粗よりも「こういうゲームが遊びたかった」という純粋な楽しさが勝る一作だ。
こんな人にオススメ
- 『Wing Commander』や『STAR WARS: TIE Fighter』など、90年代のスペースコンバットゲームに熱中した人
- 複雑な操作を求められるシミュレーターよりも、手軽で爽快なアーケード風の宇宙ドッグファイトを楽しみたい人
- 宇宙船のモジュール換装やキャラクターの段階的なアップグレードなど、コツコツと強化していく作業が好きな人
- 週末の連休などでサクッと最後まで遊び切れる、手頃な価格のSFインディーゲームを探している人
ゲーム概要
- タイトル:Max Savage
- ジャンル:スペースコンバット&アクションアドベンチャー
- 開発元:Tim Rachor
- パブリッシャー:Tim Rachor
- プラットフォーム:PC(Steam)
- 発売日:2026年7月21日
- 価格:1,200円(税込)
- 対応言語:英語(インターフェイス・フルボイス・字幕)※日本語非対応
- ストアURL:https://store.steampowered.com/app/4305030/Max_Savage/





