『ChildStory』は、毎月「月を食べる」ためにやってくる少女ソーニャを主人公にした、ドット絵の見下ろし型アドベンチャーだ。
雪に包まれた北の町を歩き回り、住人と話し、謎を解き、ときには弾幕を張ってくるボスとも戦う。Steamのユーザーレビューでは93%が好評。PC版に加え、PS5版とXbox版も配信されている。
「月はどこへ消えるの?」から始まる童話のような物語

子どもの頃に一度は考えた「毎月、月はどこへ消えてしまうのか」。本作はその問いに、ひとつのおとぎ話で答えてみせる。
紫の着ぐるみを着た少女ソーニャは、毎月、極北の町アルボムを訪れては月を食べる。そして、気難しい天の羊飼いノラが、また新しい月を空へ転がす。月の満ち欠けは、この2人が繰り返すサイクルそのものなのだ。
いつもと同じはずだった今回のサイクルが、ソーニャにとって忘れられないものになっていく。小さな冒険者が自分のしていることに迷い、何かを学んでいく過程を、プレイヤーが一緒に作っていく構成になっている。
灯りがともる雪の町アルボムを歩く

まず目を奪われるのが、斜め見下ろしのドット絵で描かれた町並みだ。雪をかぶった家々に電飾が連なり、ろうそくの灯りが夜道を照らす。キャンディの屋台や、ドーナツが並ぶ店もある。
町では「新しい星の祭り」の準備が進んでいて、どこを歩いても冬祭りの前のそわそわした空気が漂っている。オーロラの夜空や灯台を望む景色は、思わず足を止めて眺めたくなるほどだ。
住人たちも個性的で、会話の文字が揺れたり跳ねたりと、演出で感情を見せてくれる。ちょっとしたジョークに笑わされる場面も多い。ノラのテーマ曲をはじめ、サウンドトラックも世界観にしっかり寄り添っている。
手近な道具を使い、謎を解いて先へ進む

ソーニャは小さいけれど機転の利く冒険者だ。身の回りの道具やアイテムを使いこなし、寒くて意地悪な世界を切り抜けていく。
なかでも楽しいのが、フック(かぎ縄)を使った移動。探索の合間に挟まることで、ただ歩くだけになりがちな道中にちょっとしたアクセントが生まれている。
行く手を阻むのは、ノラが仕掛けたなぞなぞや仕掛けの数々。住人の頼みを聞いて人生の意味を探す手助けをすることもあれば、彼らの大切なものを壊してしまう選択もできる。最終ボスまでの道筋が大きく異なる2つのルートに分かれているのも面白い。
ボス戦は懐かしの弾幕シューティング

穏やかな町歩きから一転、古の精霊やモンスターとのボス戦は、昔ながらの弾幕シューティング(バレットヘル)仕立てになっている。
画面いっぱいに広がる弾をかいくぐりながら、反撃のチャンスをうかがう。体力はハートで管理し、減ったら早めにおやつを食べて立て直す。この「おやつで回復」というゆるさが、本作らしくてかわいい。
難易度はほどほどで、弾幕に慣れていない人でも何度か挑めば突破口が見えてくる。それでいて、ボスごとにきちんと手応えがあり、倒したときの達成感は大きい。
気になったのは導線の分かりにくさと言語

一方で、ゲームデザインには粗さもある。調べられる場所には目のアイコンが出るのだが、アイコンが出ないのに調べられるものもあり、知らないうちに会話やヒントを見逃しがちだ。
マップは広く、何もない画面も多い。クエストの手がかりも少ないため、必要なアイテムがどこにあるのか分からず、町中を歩き回って詰まってしまう場面があった。
PC版は独特なキー配置で、マウスに慣れた人は最初に戸惑うかもしれない。また、日本語には対応しておらず、表示は英語とロシア語のみ。会話劇が魅力の作品だけに、英語の文章を読みながら進める覚悟は必要になる。
こんな人にオススメ

雰囲気の良いドット絵アドベンチャーが好きな人、雪景色や冬祭りといった季節感のある世界にひたりたい人にぴったりだ。
会話中心の探索に、ときどき弾幕ボス戦が割り込んでくる構成は、『UNDERTALE』のようなインディーRPGが好きな人にも響くはず。
導線の分かりにくさや英語のみの言語対応といったハードルはあるが、それを越えてでも見てほしい景色と物語がある。寒い季節に、温かい飲み物を片手にゆっくり遊びたい一本だ。
ゲーム概要
- タイトル:ChildStory(チャイルドストーリー)
- ジャンル:アドベンチャー(探索・謎解き・弾幕ボス戦)
- 開発:Oliver Orangers(PS5版・Xbox版はStamina Zero LLCと共同)
- 販売:Oliver Orangers(Steam版)、Stamina Zero LLC(PS5版・Xbox版)
- 発売日:Steam版 2024年1月18日、PS5版 2026年3月25日、Xbox版 2026年3月26日
- 価格:Steam版 899円、PS5版 1,210円、Xbox版 1,300円
- 対応機種:PC(Windows)、PS5、Xbox Series X|S、Xbox One
- プレイ人数:1人
- 日本語:未対応(英語・ロシア語)
- Steamストア
- PlayStation Store
- Microsoft Store(Xbox)







