ローグライクと弾幕シューティング(ツインスティックシューター)。この2つは、本来であれば水と油のような関係に見えるかもしれません。一方は慎重な思考を求め、もう一方は反射神経を極限まで試すジャンルだからです。
しかし、Raspberry Jamが開発した『Rootin’ Tootin’ Lootin’ & Shootin’』は、この相反する要素を見事に融合させました。「自分が動くときだけ時間が進む」という、『SUPERHOT』や『Crypt of the NecroDancer』(のリズム無しモード)を彷彿とさせるシステムを採用することで、激しい弾幕ごっこを「詰将棋」のような戦略パズルへと昇華させています。
西部劇の世界観で繰り広げられる、静と動が入り混じる独特なプレイフィール。今回はこの隠れた良作をレビューしていきます。
思考する弾幕回避、この「全能感」はクセになる

本作最大の特徴は、画面を埋め尽くす敵の弾幕を、自分のペースで処理できる点にあります。敵が放つ凶悪な弾幕パターンも、こちらが操作を止めればピタリと止まります。
通常のシューティングゲームなら「無理ゲー」と叫びたくなるような状況でも、本作ならコーヒーを飲みながら回避ルートを模索できます。1マス動けば、敵弾も1ティック進む。このシステムのおかげで、ギリギリの隙間を縫って敵の懐に潜り込むアクションが、まるで映画『マトリックス』の主人公になったかのような全能感を与えてくれます。
操作自体はグリッド(マス目)に縛られているものの、斜め移動や自由な方向への射撃が可能で、窮屈さは感じません。むしろ、限られた移動リソースの中でどう立ち回るかという戦略性が際立っています。
バットで打ち返し、羽で飛び越える! 奇想天外な武器たち

登場する武器やアイテムのユニークさも、本作の魅力を底上げしています。単に銃を撃つだけではありません。
例えば「野球バット」を手に入れれば、飛んでくる敵の弾丸を打ち返してカウンターを決めることができます。また、「羽」を使えば弾幕の上をジャンプして飛び越えることも可能。他にも敵を凍らせる「アイスブラスト」など、木箱を壊して何が出てくるか分からないランダム性が、毎回のラン(冒険)に新鮮な驚きをもたらしてくれます。
さらに、アップグレード要素も豊富です。「底なし穴の上を浮遊する」能力や、「弾丸をリモートコントロールする」機能など、組み合わせ次第でプレイスタイルがガラリと変わります。アップグレード枠には限りがあるため、どの能力を優先するかというビルド構築の悩みもまた、ローグライクファンにはたまらない時間となるでしょう。
リズムを崩すな、コンボを繋げ

「自分のペースで遊べる」とは言いましたが、のんびりしすぎると損をする仕組みも用意されています。それがコンボシステムです。
敵を連続して倒すことでコンボが繋がり、得られるコインが増えていきます。ターンを無駄に浪費すればタイマーが進み、コンボが途切れてしまうため、プレイヤーには「慎重さ」と同時に「大胆な攻め」も求められます。
この「思考する時間」と「攻め急ぐ焦燥感」のバランスが絶妙です。BGMも状況に合わせて高揚感を煽ってくるため、ターン制でありながら、プレイ感は非常にスピーディーでエキサイティング。気づけば「あと1回、あと1回」とリトライを繰り返してしまう中毒性があります。
粗削りだが光る原石のような魅力

現時点では日本語に対応しておらず、またプレイ後半で画面上のオブジェクトが増えすぎると処理落ちが発生するといった最適化不足や、細かなバグも散見されます。しかし、それらを差し引いても、この独特なゲーム体験は1,000円という価格以上の価値を提供してくれています。
英語がわからなくてもアイコンと挙動で大体の効果は理解できますし、何より「見て避ける」「撃って倒す」という根本的なルールは世界共通です。
西部劇の荒野で、知略と暴力を尽くして生き残る。そんなハードボイルドでコミカルな体験を求めているなら、本作は間違いなくあなたのライブラリに加えるべき一作です。
ゲーム概要
- タイトル: Rootin’ Tootin’ Lootin’ & Shootin’
- ジャンル: ターン制ローグライク / ツインスティックシューター
- 開発元: Raspberry Jam
- パブリッシャー: Raspberry Jam
- 発売日: 2025年8月28日
- 価格: 1,000円
- 対応言語: 英語(日本語非対応)
- Store URL: https://store.steampowered.com/app/2372450/Rootin_Tootin_Lootin__Shootin/







