スローライフな農業シムで癒やされたい? 残念ながら、このゲームはそんな生ぬるいものではないかもしれない。 Creekside Interactiveが開発・販売を手掛ける『Wild Roots : Chef Vs Critters』は、一見するとかわいらしい牧場シミュレーションだが、その実態は「農業」「料理」そして「タワーディフェンス」を強引かつ絶妙に融合させた、マルチタスク・アクションだ。
作物を育て、料理を作り、そして迫りくる「クリッター(害獣)」どもを撃退する。農具と調理器具、そして防衛兵器を使いこなす、一風変わった農場生活のプレイフィールをお届けしよう。
癒やしと緊張の反復横跳び

ゲームの基本サイクルは、荒れ果てた土地を開拓し、畑を耕し、種をまくところから始まる。ここまではよくある牧場ゲームだ。木を伐採し、岩を砕き、スペースを確保していく作業は、このジャンル特有の地道な快感がある。
しかし、のんびりしていられないのが本作の特徴だ。育てた作物を狙って、狡猾なクリッターたちが襲来してくるからだ。ここで本作は一気に「タワーディフェンス」の顔を見せる。
面白いのは、防衛手段そのものが「農業」である点だ。「コーン・キャノン」で敵を吹き飛ばしたり、「スパイシー・ペッパー」の爆風で撃退したりと、植物自体が防衛タワーとして機能する。某ゾンビ対植物のタワーディフェンスを彷彿とさせるが、そこに『Stardew Valley』のようなライフシム要素がガッツリ絡んでくるのが新鮮だ。
キッチンは戦場、農場も戦場

防衛に成功し、無事に収穫できた食材は、そのまま売るのではなく料理にするのがこのゲームの醍醐味だ。 キッチンでレシピを駆使し、家庭料理から豪華なディナーまで調理して販売することで、初めて大きな利益が得られる。この資金で農場を拡張し、さらに強力な防衛設備(という名の植物や家畜)を整えていく。
動物たちもただ愛でるだけの存在ではない。ニワトリが敵をつつき回し、牛が地面を踏み鳴らして侵入者を追い払う姿は実に頼もしい。最初は小さな土地での防衛戦だが、拡張するにつれて守るべき範囲も広がり、敵の攻撃も激しさを増していく。「農業もしなきゃ、料理も作らなきゃ、あっちから敵が来た!」という嬉しい悲鳴を上げながらのプレイとなるだろう。
粗削りだが光る、開発者の情熱

プレイしていて感じるのは、このジャンルミックスに対する開発者の並々ならぬ情熱だ。 正直に言えば、序盤の展開が少しスローに感じたり、敵のバランスが「殺る気満々」すぎて厳しく感じる場面もあるかもしれない。ツール解除のタイミングや、防衛ユニットの説明不足など、手探り感を求められる部分もある。
しかし、それらを補って余りある「カオスな楽しさ」がここにある。バグや不具合に遭遇することもあるかもしれないが、開発チームはコミュニティの声に耳を傾け、熱心に改善に取り組んでいる姿勢が見て取れる。 「牧場シム」と「防衛ゲーム」、どちらか片方だけでは物足りない欲張りなゲーマーには、まさに刺さる一本だ。釣りや採掘といった寄り道要素もしっかり用意されており、ハマれば時間はあっという間に溶けていく。
現時点では日本語非対応だが、直感的なアイコンやアクションで十分に楽しめる。普通の農業ライフに飽きたなら、フライパンと防衛植物を手に、このワイルドな農場へ飛び込んでみてはどうだろうか。
ゲーム概要
- タイトル: Wild Roots : Chef Vs Critters
- ジャンル: 農業シミュレーション / タワーディフェンス / 料理
- 開発・パブリッシャー: Creekside Interactive
- プラットフォーム: PC (Steam)
- 発売日: 2025年12月4日
- 価格: ¥ 2,800
- 日本語対応: なし
- ストアURL: https://store.steampowered.com/app/3548790/Wild_Roots__Chef_Vs_Critters/







