2026年にリリースが予定されている、古代中国の軍砦を舞台にしたシミュレーションゲーム『マンデート オーダー(Mandate Order)』。今回、開発中のバージョンをプレイする機会を得た。
古代中国、特に戦国時代を彷彿とさせる世界観で、プレイヤーはゼロから生産、防衛、そして軍事機能を兼ね備えた軍砦(ぐんさい)を築き、管理することになる。
圧倒的な空気感。戦国時代の静寂と喧騒

ゲームを起動してまず目を奪われるのは、その圧倒的な映像美だ。緻密なグラフィックで描き出される古代中国の世界は、まるで水墨画が動き出したかのような錯覚を覚える。
四季の移ろいや天候の変化、そして夜の帳が下りた時の照明の描写は、もはや芸術の域に近い。静まり返った雪景色から、兵士たちの怒号が飛び交う攻城戦まで、この世界には確かな「息遣い」がある。単なる都市建設ゲームに留まらない、この圧倒的な没入感に、プレイ開始早々、私の心は掴まれてしまった。
「物流」という名の生命線

本作の核となるのは、驚くほどシビアでリアルな物流(ロジスティクス)システムだ。
現代の多くのゲームでは、倉庫にアイテムを入れればどこでも使えるのが当たり前だが、このゲームにそんな魔法は存在しない。水、食料、薪。これら全ての資源は、物理的に「運ぶ」必要がある。
村の中に張り巡らされた物流ネットワークが、そのまま村の寿命に直結する。輸送ステーションの配置一つで、住民の生死が分かれるのだ。この「不自由さ」こそが本作の醍醐味であり、無事に物資が届いた時の安堵感は、何物にも代えがたい。
住民管理は「支持率」がすべて

民がいなければ、砦はただの箱に過ぎない。住民たちは「伍」という5人一組の単位で管理され、彼らの満足度が「支持率」として可視化される。
支持率が一定ラインを超えれば、噂を聞きつけた新たな労働者が村に加わるが、ひとたび食料や燃料が尽きれば、民は容赦なく去っていく。君主としての手腕が、数字一つに如実に現れる緊張感。思わず「みんな、行かないでくれ!」と画面に向かって叫びたくなる瞬間も、このゲームの隠れた魅力かもしれない。
哲学が戦略を変える「弈」と「祀」

単に砦を建てるだけではない。本作には古代中国の哲学的な要素が深く根付いている。
様々な流派の思想を統合し、独自の政策を作り上げる「弈(えき)」。そして、天地に祈りを捧げ、国家の運命を問う「祀(し)」。祭祀の結果が自然災害や突発的な事件に影響を及ぼし、プレイヤーの道徳心が試される。
「禍福は糾える縄の如し」。最悪の災難の後に、思わぬ発展の転機が訪れることもある。この予測不能なダイナミズムは、まるで歴史そのものを動かしているかのような錯覚を抱かせてくれる。
パンダ戦士が戦場を駆ける? 驚愕の軍事要素

そして、内政の先にあるのは「伐(ばつ)」、すなわち戦争だ。
本作の攻城戦は、とにかく力が入っている。破城槌やバリスタといった兵器に加え、なんと「パンダ戦士」なるユニークなユニットまで登場する。物理法則を考慮した戦争建築の設計は、古代人の知恵と工夫を肌で感じさせてくれるだろう。
装備一つとっても、鉱石を掘り、インゴットを精錬し、一つずつ丁寧に作り上げなければならない。手塩にかけて育てた兵士たちが、自ら設計した砦を守り抜く姿には、込み上げるものがある。
総評:荒削りながらも、大いなる可能性を秘めた一作
現在はまだ開発段階ということもあり、UIの説明不足や最適化の甘さなど、改善の余地があるのは事実だ。しかし、それを補って余りあるポテンシャルがここにはある。
緻密な内政と、ダイナミックな戦争。そして、古代中国の美学。これらが絶妙なバランスで融合した『マンデート オーダー』は、シミュレーションゲームファンにとって、間違いなく2026年の注目作となるだろう。
ゲーム概要
- タイトル: マンデート オーダー(Mandate Order)
- ジャンル: 軍砦シミュレーション / 都市建設ストラテジー
- 開発/パブリッシャー: Digital Sky
- 発売予定日: 2026年
- 対応プラットフォーム: PC (Steam)
- 日本語対応: 日本語字幕対応
- 特徴:
- 古代中国の軍砦を舞台にした自由度の高い建築システム
- 物理的な輸送を重視したリアルな物流・経済ロジック
- 「伍」ユニットによる緻密な人口管理と支持率システム
- 古代哲学や祭祀が統治に影響を与える独特な戦略性
- 攻城兵器や特殊部隊を駆使した本格的な軍事・防衛戦
- ストアリンク: Steam:マンデート オーダー






