80年代、ゲームセンターの熱気の中で我々を夢中にさせたあの「固定画面型アクション」が、現代にふさわしい洗練された手触りで蘇った。com8com1 Softwareが手掛ける『Go! Go! Mister Chickums(ゴー!ゴー!ミスター・チッカムズ!)』は、一見すると愛らしいニワトリのキャラクターゲームだが、その実態は緻密なルート構築と瞬時の判断が試される、極めて硬派でエキサイティングなアーケードアクションだ。
シンプルなルールに隠された奥深い「重み」の駆け引き

本作の目的は極めて明快。ステージ内に散らばった卵を回収し、巣まで運ぶことだ。しかし、この「運ぶ」という行為にこそ、本作の面白さが凝縮されている。
実際にプレイして驚いたのは、卵を持った瞬間にチッカムズの機動力が目に見えて低下する点だ。ジャンプは低くなり、移動速度も落ちる。この制限が、単なる回収作業を「リスク管理のパズル」へと変貌させている。敵を避けるために卵を一度手放すか、あるいはあえて投げ飛ばして先に進むか。卵は投げたまま放置すると割れて初期位置に戻ってしまうため、常に緊張感のあるハンドリングが求められる。
100ステージのボリュームと絶妙なギミックの数々

全10ワールド、合計100にも及ぶステージは、プレイヤーを飽きさせない工夫に満ちている。崩れる足場、上昇気流、水中物理など、進むごとに新しい「お約束」が登場し、攻略法を再構築させてくれるのが小気味よい。
敵キャラクターの配置も絶妙だ。踏みつけで倒せるものもいれば、卵をぶつけて撃退しなければならない強敵もいる。特筆すべきは、制限時間を過ぎると現れる死神「モーティ」の存在だ。彼のプレッシャーは凄まじく、のんびり構えているプレイヤーを容赦なく追い詰めてくる。この「急かされる感覚」こそ、古き良きアーケードの醍醐味と言えるだろう。
スコアアタックが熱い!職人芸を求めるシステム

ただクリアするだけなら数時間で到達できるかもしれない。しかし、本作の本質はそこではない。特定の順序で卵を回収することで発生するボーナスや、隠しアイテムの探索、そしてオンラインランキングでの競い合い。これらが合わさることで、一つのステージをいかに「美しく、効率的に」攻略するかという職人技のような楽しみが生まれる。
また、ゼイン・リトル氏によるチップチューンサウンドが素晴らしく、プレイ中の高揚感を完璧に引き立ててくれる。8bit風のグラフィックも視認性が高く、激しいアクションの中でも状況を即座に把握できるのは見事だ。
総評:全アクションファンに贈る、純粋な「遊び」の結晶

ローカル協力プレイにも対応しており、友人と役割を分担して卵を運ぶ楽しさは格別だ。一部、判定のシビアさや小さな挙動に荒削りな部分も感じるが、それすらもレトロゲームへのリスペクトに思えてくるから不思議だ。
「難しいが、もう一回」。そう思わせる中毒性がこのゲームには確かにある。1,200円という価格以上の満足感を得られる、アクション好きなら迷わず手に取るべき一作だ。
ゲーム概要
- タイトル:Go! Go! Mister Chickums(ゴー!ゴー!ミスター・チッカムズ!)
- ジャンル:固定画面プラットフォームアクション
- 開発・パブリッシャー:com8com1 Software
- 発売日:2026年4月2日
- 価格:1,200円(税込)
- 対応プラットフォーム:PC (Steam) ほか
- プレイ人数:1〜2人(ローカル協力プレイ対応)
- 言語:日本語字幕対応
- ストアページ:Steamでチェック






