アイディアファクトリーとコンパイルハートが贈る「ネプテューヌ」シリーズに、かつてない異色の外伝作品が登場した。今回の主役はなんと「バイク」。
JRPGの枠を飛び越え、広大なステージをバイクで爆走しながら、大量発生したシリーズお馴染みの珍妙なモンスター「スライヌ」をかき集めるという、文字通りの暴走アクションだ。
異次元のゲイムギョウ界で巻き起こるスライヌ大混戦

目が覚めると、そこはいつものゲイムギョウ界ではなく、見渡す限りのスライヌで埋め尽くされた謎の異次元空間。しかも、お馴染みの四女神たちはなぜかスライヌの魅力に取り憑かれ、完全に洗脳状態に陥ってしまっている。
プレイヤーは奇跡的に正気を保っていた「天王星うずめ」となり、なぜか最初から乗りこなせるハイスペックなバイクに跨がり、仲間たちを正気に戻すため、 tenderそしてこの世界から脱出するためにスライヌ争奪レースへと身を投じることになる。会話イベントはフルボイスで展開され、いつものメタ発言や突っ込みどころ満載のコミカルなノリは今作でも健在だ。
単なる競走ではなく「奪い合い」が熱い大乱闘アクション

本作はタイムを競う一般的なレースゲームではない。ステージ内に散らばるスライヌを相手チームよりも先に規定数(100体など)集めた方が勝ち、という非常にシンプルなルールの「収集型大乱闘」である。 操作感は非常にカジュアルで、アクセルを踏み込んでステージを縦横無尽に駆け回るだけでも十分に楽しめる。特に面白いのが、ドリフトを行うことでスライヌの「吸引範囲」が拡大する仕様だ。コーナーを鮮やかに滑り抜けながら、一網打尽にスライヌを吸い込む爽快感はたまらない。
しかし、ただ大人しく集めているだけでは勝利は掴めない。真の勝負は、相手との直接的な潰し合いにある。近接体当たり(フロントシャベルでの一撃)や遠距離射撃を敵のバイクに叩き込めば、相手がそれまで苦労して集めたスライヌを大量にぶちまけさせることができる。後半戦、敵が目標達成間近になった瞬間に背後から強襲し、すべてを奪い去って大逆転を決めたときの全能感は、脳汁が吹き出るほどエキサイティングだ。
ステージを彩るギミックとスライヌの多様性

全5エリア、15以上のステージには、プレイヤーを飽きさせない数々のギミックが用意されている。ジャンプ台や竜巻を利用して高台へ飛び乗る立体的なアクションはもちろん、集めるスライヌの種類によって様々なバフ・デバフがリアルタイムに発動するシステムが秀逸だ。
車体が巨大化して圧倒的な存在感(と当たり判定)を得られるスライヌもいれば、逆にネズミサイズに縮小して狭い隙間の隠しエリアに侵入できるようになるスライヌ、さらには滑空能力を得られる翼付きのスライヌまで存在する。一方で、移動速度が低下するマイナス効果を持ったスライヌも配置されており、これを遠距離攻撃で相手に「押し付ける」といった、泥仕合感満載の妨害工作も非常に盛り上がる。
愛車を飾り立てるカスタムとファン垂涎の要素

ステージクリアで獲得したポイントを使用すれば、バイクの性能や見た目をカスタマイズすることが可能だ。ボディ, マフラー, タイヤといったパーツを交換することで、最高速度やブースト性能、吸引範囲などをプレイスタイルに合わせて調整できる。
さらに、キャラクターの見た目を変更するアクセサリー(メガネや帽子などのネタ系アイテム)も豊富に用意されている。お気に入りの女神を鬼火少女風に仕立て上げ、専用の「ハートフルフォトモード」でベストショットを狙うだけでも、ファンなら時間を忘れて没頭できるだろう。今回の3Dモデルは非常に綺麗に作られており、バイクウェアに身を包んだ女神たちのスタイッシュな姿を様々な角度から眺められるのは大きなプラスポイントだ。
購入前に押さえておきたい注意点:価格とボリュームのバランス

本作を遊ぶ上で、どうしても避けて通れない最大の注意点がある。それは「コンテンツのボリュームに対して、価格設定が高すぎるのではないか」という意見が非常に多く見られる点だ。
メインストーリーだけであれば2〜3時間、やり込み要素や全実績解除を目指したとしても5〜6時間ほどでほぼすべての要素を遊び尽くせてしまう。そのため、定価4,500円という価格に対して「体験できる内容が少なすぎる」「まるでミニゲームをそのまま一本のフルタイトルとして販売しているようだ」と感じるユーザーが少なくない。
ゲーム自体のアイデアや操作感、キャラクターの魅力が優れているだけに、この「価格とボリュームのミスマッチ」は、熱心なシリーズファンであっても評価が分かれる最大のボトルネックとなっている。
総評:サクッと遊べて爽快感抜群のカジュアルな一品

全体的なボリュームとしては非常に軽量な、まさに「スナック感覚」のお手軽スピンオフだ。 難易度はマイルドで、AIの味方も適度に優秀なため、ゲーム初心者でもストレスなくエンディングまで駆け抜けることができる。奥深い育成や重厚なストーリー、あるいは本格的なシミュレーター級の挙動を求めるプレイヤーには物足りないかもしれないが、この「頭を空っぽにして爆走できる」割り切った設計こそが本作の魅力と言える。 価格面でのハードルはあるものの、ネプテューヌたちの新しい一面を見て癒やされたいファンや、ちょっとした息抜きに爽快なアクションを楽しみたい人にとっては、セールなどの機会を狙ってでも触れてみる価値のあるユニークな一作だ。
ゲーム概要
- タイトル:爆走次元ネプテューヌ VS巨神スライヌ(海外名:Neptunia Riders VS Dogoos)
- 発売日:2025年4月30日
- 価格:¥ 4,500
- 開発元:Idea Factory, Compile Heart
- パブリッシャー:Idea Factory International, Inc.
- ジャンル:バイクアクション / 収集・対戦
- 対応言語:日本語音声、日本語字幕対応
- プレイ人数:1人(シングルプレイ専用)
- ストアリンク:Steamストアページ






