金も名声も特殊能力もない、路上の「何者でもない存在」から始まり、過酷な鍛錬とリソース管理を経て街の犯罪者に立ち向かうタクティカル・オートバトラーRPG『HeroInc』。
早期アクセスとして配信が開始された本作は、ノワール調の緻密なピクセルアートと、日々の行動選択に頭を悩ませる育成シミュレーションの楽しさが融合した意欲作だ。
限られた行動力で何を選ぶか?毎日のリソースマネジメント

本作のゲームサイクルの基本は、1日ごとに与えられるアクションポイント(行動力)の割り振りと時間管理にある。
プレイヤーはポイントを消費してトレーニングを行い、攻撃力・防御力・素早さといった基本ステータスを地道に底上げしていく。あるいはアルバイトのように働いて資金を工面し、スキルツリーから新たな能力をアンロックすることも可能だ。
ステータスを鍛えなければ敵には勝てないが、資金を稼がなければスキルの拡張が進まない。どの数値を優先して伸ばし、どのタイミングで投資に回すか、プレイヤーの判断がそのまま育成テンポに直結する。
街を蝕む「恐怖」のカウントダウンと完全自動のタクティカル戦闘

街には日々凶悪な犯罪者が現れ、市民に「恐怖」を振りまいている。この犯罪者たちを放置したまま1日を終えると、街の恐怖ゲージが徐々に上昇していく。ゲージが上限の100に達した時点でゲームオーバーとなるため、ただ安全にトレーニングばかりしている猶予はない。
実際の戦闘自体はオートバトラー形式で進行し、勝敗を分けるのは事前にどれだけ万全な準備とビルドを整えられたかという点に尽きる。敵を撃破すれば、資金だけでなくスキルツリーの解放に必要なスターや特殊なジェムなどの素材が手に入り、一気に戦力強化の道が開ける。街の治安維持と自身の育成リスクのバランス取りが、常にプレイヤーへ心地よい緊張感を与えてくれる。
序盤のシビアさと軌道に乗った際のスノーボール感

実際に周回を重ねてみると、序盤の難易度はややシビアだ。ステータスが整わないうちに中堅クラスの敵に手を出すと手痛い反撃を受け、一気に恐怖ゲージの管理が苦しくなる。
しかし、一度必要なノードを開放してシナジーが噛み合い始めると、自キャラクターの攻撃力や生存力が飛躍的に跳ね上がる。敵を次々となぎ倒して資源をがっぽり回収し、さらに育成が加速していくスノーボール(雪だるま式強化)の快感は、インクリメンタル(放置・増分系)ゲーム特有の中毒性そのものだ。
早期アクセスゆえの課題と今後のアップデートへの期待

現在選べるクラスは「ローグ」と「技術者(テッキー)」の2系統。技術者クラスでは異なるビルド方針を試せる面白さがあるものの、ローグ側のビルド幅やラン全体の多様性という面では、まだ発展途上な印象も受ける。
また、一度攻略パターンを掴んでしまうと後半は押し切れてしまうバランスや、周回による永続アンロック要素のボリューム感など、早期アクセス初期ならではの粗削りな部分も見受けられる。とはいえ、テンポの良さとコアとなる育成サイクルの手触りは非常に良好。今後のロードマップによるクラス追加やコンテンツ拡張に大きな期待が持てる。
本作はこんな人にオススメ
- 『Punch Club』のような時間・リソース管理型の育成シミュレーションが好きな人
- スキルツリーを開放してキャラクターが急激に強くなるインクリメンタル系が好きな人
- 緻密に描かれたダークなピクセルアートの世界観に惹かれる人
- 1回ごとのランを短時間でサクッと手軽に楽しみたい人
ゲーム概要
- タイトル:HeroInc
- ジャンル:タクティカル・オートバトラーRPG / 育成シミュレーション
- 開発元:Nue Games
- パブリッシャー:Nue Games
- 発売日:2026年8月18日(早期アクセス)
- 価格:1,150円
- 対応言語:日本語字幕対応(公式対応)
- ストアページ:https://store.steampowered.com/app/4280390/HeroInc/






