『Pirate Twist』は、一隻の小さな船で三つの敵対する海に挑む、見下ろし型の海戦ローグライトだ。手元にあるのは片舷に砲が一門ずつのスループと、何かを証明したい船長、そして心もとない海図だけ。
分岐する航路を選びながら戦利品を奪い、船をモジュール単位で組み替えて強くしていく。各海の果てで待つ名うての海賊船長を沈め、故郷への凱旋を目指す。
一人の開発者が手がける早期アクセス作品ながら、Steamのユーザーレビューでは100%が好評。日本語にも完全対応している。
三つの海を渡るキャンペーン。同じ海図は二度とない

航海の舞台は、毎回組み替えられる海図だ。各海は7〜10列の選択肢に枝分かれしていて、どのマスに進むかで出会う敵やイベントが変わっていく。
海図の終点で待つのはボス船長。6人のうち誰が出てくるかは、海図が明かすまで分からない。道中には印のついた精鋭が2隻ずつ配置されていて、あえて腕試しに挑むかどうかもプレイヤー次第だ。
キャンペーンは一度のプレイで遊びきれる長さにまとめられていて、いつでもセーブして中断できる。戦闘の真っ最中でも途中でやめられるのはありがたい。
カーソルなしの舷側砲。船の角度で撃つ海戦が気持ちいい

本作の海戦には照準カーソルがない。敵を舷側の射界にとらえた瞬間に、砲が自動で火を噴く仕組みだ。求められるのは反射神経のエイムではなく、船をどう回り込ませるかという操船の腕になる。
砲弾の種類も多彩で、鎖弾は帆を引き裂き、ぶどう弾は乗組員をなぎ倒し、焼夷弾は通り過ぎたあとも燃え続ける。帆を削って足を止めるか、乗組員を減らすか。狙いに合わせて弾を使い分けるのが楽しい。
なかでも爽快なのが、敵船の船尾から縦に撃ち抜く一撃だ。ダメージは2倍を超え、画面に大きく表示される倍率に思わずガッツポーズが出る。
ただし、敵の海賊たちも同じ手を使ってくる。船長たちは戦闘中もしゃべり続け、ボス船長は最後の一斉射撃まで言い返してくる。この掛け合いが海戦を一段と熱くしてくれる。
14スロットに19種のモジュール。自分だけの船を造る

ローグライトの「構築」にあたるのが、船の組み立てだ。船体には14のスロットがあり、19種類のモジュールをどう詰め込むかで性能が大きく変わる。
速さ重視なら軽量砲、装甲を貫くなら重砲、砲弾の雨を降らせ続けるなら臼砲。倒したボスから剥ぎ取った鉄張りの船首を付ければ、敵船に体当たりする衝角船にもなる。
最初の精鋭を沈めると、航海の最後まで船首を飾る船首像も選べる。浮かぶ砲台にするか、砕けない要塞にするか、ぶつけて沈める突撃艦にするか。手に入るもの次第で毎回違う船ができあがるのがたまらない。
風と嵐を読む。海そのものが戦場になる

推進キーを押し続ける必要はなく、帆を張って風に乗るのが基本だ。海域ごとに風の吹き方が違い、乗り入れると船長がそれを告げてくれる。
凪に沈む海域もあれば、稲妻が走る嵐の雲が戦場を横切ることもある。嵐を突っ切れば一気に加速できるが、そのぶん稲妻が船体を削っていく。迂回すれば安全だが、得るものはない。
風と嵐を味方につけて敵の背後に回り込み、船尾から一斉射撃を浴びせる。そんな展開が決まったときの気持ちよさは格別だ。
悪魔の取引に呪われた難破船。多彩なイベントが航海を彩る

海図に並ぶのは海戦だけではない。波状攻撃から港を守る防衛戦、封をした木箱を売りつけてくる商人、松明が1分ももたない海の洞窟など、イベントの種類が豊富だ。
時間との勝負の宝探しや、手がかりがなければ見つからない隠し財宝もある。幸運の難破船もあれば、数戦にわたって呪いがつきまとう呪われた難破船もある。
悪魔の取引では、大きな力と引き換えに代償を背負う契約を迫られる。断って立ち去ることもできるが、強化の魅力に負けてサインしたくなるのが人情だ。
沈んでも終わらない。船長と乗組員が育つ成長要素

戦いに負けても、キャンペーンはそこで終わらない。港へ戻って船大工に修理代を払えば、同じ海にもう一度挑める。
ゴールドは航海をまたいで持ち越せないが、船長は残る。5人の船長にはそれぞれ専属の乗組員と、航海全体の流れを変える固有のバフがあり、勝っても沈んでも9つのスキルを身につけたまま次の航海に出られる。
キャンペーンを制覇した船長は、より厳しいアセンション段階で再出航できる。腕と船長を鍛えながら、どこまで階段を登れるかに挑むやり込みも用意されている。
気になるのは、高めの難易度とUIの細かさ

気になる点もある。のんびりした海賊ものを想像していると、敵の強さに面食らうはずだ。操船と砲撃に慣れるまでは、難易度調整で一番易しい設定から始めるのがおすすめだ。
沈むたびに修理代がかさんでいくため、慣れないうちは航海の立て直しが苦しくなりがちだ。視界の悪い洞窟では明かり代わりに焼夷弾を使う必要があり、高価な弾薬を消費させられるのも悩ましい。
UIは情報量が多く、文字が小さめ。携帯機で遊ぶと読みづらい場面がある。
とはいえ、開発者はフィードバックへの反応が早く、アップデートで改善が重ねられている。早期アクセスの今から伸びしろを楽しめる一本だ。
こんな人にオススメ

- 帆船同士の砲撃戦や、海賊ものが好きな人
- ルートを選びながら進むローグライトが好きな人
- パーツを組み合わせて自分だけの船を造りたい人
- エイムより、位置取りや操船で勝負するゲームが好きな人
- 早期アクセスのタイトルを、開発者と一緒に育てていきたい人
『Pirate Twist』は、舷側砲の撃ち合いとローグライトの船づくりを見事に結びつけた海戦アクションだ。難易度は歯ごたえがあるものの、船尾を撃ち抜く快感と、毎回違う船ができあがる楽しさが次の航海へと背中を押してくれる。
艦隊の指揮や、キャンペーン後に挑む果てしない海といった追加要素も予定されている。小さなスループで三つの海に漕ぎ出し、伝説の海賊船長を沈めてみてほしい。
ゲーム概要
- タイトル:Pirate Twist
- ジャンル:海戦ローグライト、アクション
- 開発元:BTG Labs
- 販売元:BTG Labs
- 発売日:2026年7月15日(早期アクセス)
- 価格:655円
- 対応機種:PC(Steam/Windows・macOS・Linux)
- プレイ人数:1人
- コントローラー:フルコントローラサポート
- 日本語対応:インターフェイス・字幕対応、日本語音声なし
- Steamストアページ
- 公式サイト







