「もし今、ゾンビパンデミックが起きたら、自分の住んでいる街でどう生き残るか?」 ゾンビ映画やゲームを愛する者なら、一度はそんな妄想をしたことがあるはずだ。近所のスーパーで食料を確保し、あの堅牢なマンションを拠点にして……。そんな頭の中だけのシミュレーションを、驚くべき技術で具現化したゲームが登場した。
Jutsu Gamesが開発し、現在早期アクセス中の『Infection Free Zone』は、OpenStreetMapの実データを使用し、地球上のあらゆる都市をゲームの舞台にできるという、とんでもないポテンシャルを秘めたストラテジーゲームだ。東京の過密地帯だろうが、北海道の原野だろうが、あるいはあなたが今住んでいるその場所だろうが、すべてが感染者との戦場となる。
今回は、実際に「地元」を防衛線に変えて戦ってみたプレイレポートをお届けする。
「土地勘」が最強の武器になる、唯一無二のサバイバル体験

ゲームを開始してまず行うのは、プレイする地域の選択だ。検索窓に自分の住む都市名を入力し、マップデータをダウンロードする。数秒後、画面に表示されるのは見慣れた道路、見覚えのある建物の配置。この瞬間、ただのゲームは「自分ごとの戦い」へと変貌する。
「駅前のあのビルは頑丈だから本部にしよう」「川沿いは守りやすいが、逃げ場がないな」「あそこのコンビニ跡地なら食料が残っているかもしれない」

実際の土地勘がそのまま攻略に直結する感覚は、他のゲームでは決して味わえない没入感だ。もちろん、データ生成の都合上、実際の施設とゲーム内の施設タイプが異なることもある(近所の市民プールがなぜか警察署になっていたりするご愛嬌もある)が、それすらも「パンデミック後の混乱で改装されたのか?」と脳内補完して楽しめる。
昼は探索、夜は死闘。シンプルながら中毒性の高いサイクル

ゲームプレイのサイクルは明確だ。太陽が出ているうちは、生存者チームを編成して周辺の建物を探索し、食料、木材、金属、そして武器や弾薬をかき集める。既存の建物を解体して資材にしたり、フェンスや監視塔を建設して拠点の防御力を高めたりと、やることは山積みだ。
そして夜が来ると、世界は一変する。暗闇の中から、恐るべき速さで走る感染者の群れが押し寄せてくるのだ。 昼間に築いた壁が食い破られ、必死に守ってきた「自宅」や「通っていた学校」が蹂躙されていく様を見るのは、単なるゲームオーバー以上の精神的ダメージがある。だからこそ、撃退した時の安堵感と達成感は格別だ。
また、生存者はプレイヤーのグループだけではない。時には他の生存者集団と遭遇し、交易を行うこともあれば、敵対して銃撃戦に発展することもある。ポストアポカリプスらしい「人間同士のドラマ」もまた、このゲームのスパイスとなっている。
粗削りだが光る原石。果てなきアップデートへの期待

正直に言えば、本作はまだ「早期アクセス(Early Access)」の段階であり、完成された作品とは言い難い。 時折発生するバグやクラッシュ、最適化不足によるラグ、AIの挙動の怪しさなど、粗削りな部分は散見される。コンテンツのボリュームやエンドゲームの深みについても、今後の拡充が待たれるところだ。
しかし、それを補って余りあるのが「コンセプトの勝利」だ。 自分の知っている街でゾンビサバイバルを行うという体験は、何物にも代えがたい魅力がある。開発チームもコミュニティの声に耳を傾け、頻繁にアップデートを行っている姿勢が見られるため、今後の進化には大いに期待が持てる。

『Infection Free Zone』は、単なるシミュレーションゲームではない。あなたの「日常」を「戦場」に変える、危険で魅力的なツールだ。バグや不具合に目をつぶってでも、自分の街を守り抜く覚悟があるなら、今すぐ生存者たちのリーダーとなるべきだろう。
ゲーム概要
- タイトル: Infection Free Zone
- ジャンル: ストラテジー / シミュレーション / サバイバル / 街づくり
- 開発元: Jutsu Games
- パブリッシャー: Games Operators
- 発売日: 2024年4月11日(早期アクセス)
- 価格: ¥ 3,299
- 対応言語: 日本語、英語、他
- Store URL: https://store.steampowered.com/app/1465460/Infection_Free_Zone/






