終末の徴収人となり罪を狩れ。ヨハネ黙示録の世界を往くバイオレンス・アクション『Sancticide』 #Sancticide

聖書の「ヨハネ黙示録」をベースにした終末世界。そこに放り込まれたプレイヤーを待っているのは、神聖さと卑俗さが入り混じった、あまりにも奇妙で暴力的な日常だ。Red Square Gamesが手掛ける『Sancticide』は、近接戦闘に重きを置いた三人称視点のローグライト・アクション。プレイヤーは「罪業徴集人」の新人エゼキエルとして、灰にまみれた終末の地で過酷な任務に挑むことになる。

信仰と暴力が交錯する唯一無二の空気感

本作の扉を開いてまず圧倒されるのは、その退廃的かつ独創的なアートワークだ。崩壊した都市の残骸、不気味な輝きを放つ宗教的アイコン、そしてチェスの駒のように一目でその脅威が判別できる異形の敵たち。どこか懐かしいアクションゲームの手触りを感じさせつつも、描かれている世界観は極めて挑戦的。

特筆すべきは、独自システムである「戒律性(Kosherness)」だろう。あらゆるアイテムや行動が「戒律的」か「非戒律的」かに分類され、それがNPCとの関係や自身の成長にまで影響を及ぼす。このシステムが、単なるアクションゲームに終わらせない深みを与えている。

荒削りながらも中毒性を秘めた戦闘体験

実際にコントローラーを握ってみると、そのプレイフィールは独特だ。方向をベースにした攻撃と、タイミングを重視したコンボシステムが核となっており、一撃の重みがしっかりと伝わってくる。

「パープル」と呼ばれる超常的な力を発動した瞬間は、まさにカタルシス。力場で敵を吹き飛ばし、時間を操って戦況を掌握する感覚は、他のタイトルでは味わえない万能感がある。正直に言えば、挙動の硬さやカメラワークに「インディー特有の荒さ」を感じる場面も少なくない。しかし、その「いなせな荒削りさ」こそが、かつての3Dアクションが持っていた剥き出しの熱量を思い出させてくれる。

銃火器を手に入れた際の「聖なる戦いに近代兵器を投入する」というシュールかつ強力な体験も、本作の独自性を加速させている。

絶望の淵で見つける「死という名の学び」

ローグライト要素を取り入れた本作において、死は終わりではない。倒れるたびに世界のルールを学び、新たなアプローチを模索する。この繰り返しが、エゼキエルの苦悩に満ちた物語とシンクロしていく。

時折、AI生成によるボイスや演出が独特の「浮遊感」や「違和感」を生んでいるが、それがかえって、現実離れした黙示録の世界観と奇妙にマッチしているのが面白い。完璧に磨き上げられたAAAタイトルにはない、歪で愛おしいエネルギーがここには詰まっている。

粗を探せばキリがないかもしれない。だが、それ以上に「この世界をもう少し歩いてみたい」と思わせる、強烈な磁場を持った一作だ。


ゲーム概要

  • タイトル: Sancticide
  • ジャンル: 三人称視点アクション / ローグライト
  • 開発元: Red Square Games , Sylen Studio
  • 発売日: 2026年3月11日
  • 価格: ¥2,300
  • 対応プラットフォーム: PC (Steam)
  • 主な特徴:
    • 聖書のヨハネ黙示録を舞台にしたダークな世界観。
    • 方向指定とコンボを重視した戦略的近接戦闘。
    • 空間や時間を操る特殊能力「パープル」。
    • 装備や選択肢に影響する独自の「戒律性」システム。
    • 敵の能力を視覚的に判別できるユニークなユニットデザイン。
  • ストアリンク: Steam:Sancticide

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