8×8の美しい白黒盤面で繰り広げられるチェスは、古来より完成された頭脳戦の象徴だ。しかし、もしその盤面が不規則に崩れ去り、駒たちが装備品を身にまとって想定外の動きを見せたらどうなるだろうか。インディーデベロッパーのBirdworksが手掛ける『Pieces of the Kingdom』は、クラシックなチェスのルールをベースに、ローグライク要素とRPG的なカスタマイズを融合させた戦略シミュレーションだ。
予測不能なグリッドとパーマデスが生む強烈な緊張感

一般的なチェスであれば、開始時点の配置や移動可能範囲は完全に固定されている。しかし本作の体験版で触れられるバトルフィールドはプロシージャル生成(自動生成)され、8×8の枠に収まらない歪んだ形状の盤面や遮蔽物が毎回異なる戦況を生み出す。
戦闘における最大のポイントは、ユニットのロストが即座に永久死(パーマデス)につながる点だ。一歩の判断ミスで重要な駒を失うと、その後の戦略全般に深刻な影響を及ぼす。無造作なポーンの犠牲は許されず、常に盤面全体を観察しながら敵の攻撃範囲を見極める必要性に迫られる。この慎重な一手と危険な一進の駆け引きが、独特の緊張感を演出している。
装備とスカウトで変化する駒の機動力と役割

ゲームを進める中で得られる装備品やアーティファクトを駒に付与することで、移動範囲の拡張や防御力の強化、遠距離攻撃といった特殊能力が付与される。ポーン的な位置づけのユニットが装備品一つで一気に主戦力へ変貌を遂げる瞬間もあり、育成戦略の自由度は高い。
さらに、撃破した軍勢から新たな駒をスカウトし、自軍に組み込むビルド構築の面白さも備えている。6つの異なる派閥が存在し、それぞれが独自のAIや攻略難易度を持つため、プレイごとに全く違った戦術の組み立てが求められる。
思考のパラダイムシフトがもたらす戦略の快感

チェスの基本ルールを知っているほど、本作が提示する変則的な挙動や盤面構造には最初戸惑うかもしれない。既存の定石がそのまま通用しない場面も多いためだ。しかし、地形の遮蔽物を活用して遠距離からの攻撃を防いだり、装備によって拡張された機動力を駆使して敵の背後を突いたりと、システムへの理解が深まるにつれて戦略の幅は一気に広がる。
ランダム生成による運の要素と、一手一手に求められる厳密な計算が見事に調和しており、リプレイ性の高い戦術ストラテジーに仕上がっている。2026年9月に予定されている製品版のリリースに向けて、戦略シミュレーションやローグライク作品のファンであれば、まずは配信中の体験版でこの斬新なプレイ感を体験してみる価値がある。

ゲーム概要
- タイトル: Pieces of the Kingdom
- 開発元: Birdworks
- パブリッシャー: Birdworks
- 発売日: 2026年9月予定
- 対応言語: 日本語字幕対応
- ストアページ: https://store.steampowered.com/app/3856240/Pieces_of_the_Kingdom/






